【連載】もっと輝く若い教師 ―支えの手があれば―3 新任教員への支援システム

若い教師を応援する会代表
共栄大学教育学部教授 和井田節子

 

若い先輩教師たちが頼りに

教諭として採用された新任教員には、3種類の支援システムがある。第1は職場の管理職や先輩教員たちによる校内支援。第2は新任教員研修の指導教員による支援。第3は同じ新任教員同士のネットワークである。

教職に就いたばかりの新任教員にとって、出会うものは何もかも初めてである。重要事項を一度に大量に教わり、理解が追いつかないまま多忙な日常が始まる。特に、地方から都市部の学校に着任した場合、担任している子供の方がむしろ、地域も学校のこともよく知っている状態である。職員室の会話もわからない略語が多く、指示されたことが社会人だから言われているのか、教師としてか、新任だからなのか、あるいはこの学校だからやるべきだと言われているのか、ともやもやする。やっていることの見通しもわからない。何でも尋ねていいと言われても、それが尋ねるべきことかも分からない。

ここを救うのは、まずは新任教員のネットワークである。校外で行われる初任者研修で出会う新任教員同士の交流や、大学時代の同級生との情報交換から、新任教員としての自分の位置を把握しようとする。このネットワークは情報だけでなく、精神的な支えにもなる。

新任教員は、校内では、初任者研修の指導教員と、同じ学年を組んでいる教師と、年齢が近い若い先輩教師とを頼りにしている実態が、聞き取り調査から分かっている。

初任者研修の指導教員は、少なくとも週に1回、専属で指導助言を行ったり相談に乗ったりしてくれるベテラン教師である。同じ学年の学年主任も、授業や学級経営や学校行事などについて相談をすべきベテラン教員である場合が多い。

どちらも強力なサポーターだが、ベテラン教師から受ける助言は、若手教師にとって実践が難しいプロの技である場合も多い。

そういうときに力になってくれるのが、同僚の若い教師たちである。自分も通って来た道なので、ベテラン教師の言葉を通訳できる。何より、教師として生き残ろうともがく新任教員の気持ちがよくわかるのである。

若い先輩教師たちがこのような新任教員の力になることができるシステムを作っておくのは、有効な方法である。

横浜市立笠間小学校は、経験5年以内の教員でチームを作り、4月の初日から学級開きや学級経営の見通しなどを話し合うという。その後も月に2回程度集まって、「学級目標の決め方」「運動会に向けて」などのテーマで情報交換をしている。このようなシステムがあると、5~6月にやってくる新任教員の強い困難感の時期も、比較的容易に乗り越えられるのである。

次回は、教師のメンタルヘルスについて考えていきたい。