【連載】目指せ管理職 学校管理職合格講座 IV 第2回 校長が年度初めにやるべきこと

教育新聞 教育管理職研究会編

 

校務分掌と担当者の配置―素早く的確に

教育活動を充実させ、学校教育目標を達成するには、組織的な取り組みが欠かせない。年度当初の校務分掌と担当者の配置は、すばやく、的確に行うことが、教職員の意欲の高揚につながり、校長の最も重要な仕事である。

校務分掌と職員の配置は、新年度の教育課程に応じたものにしたい。また学校改善のために、新しい課題や取り組みのための新たな分掌が必要になってくるであろう。他方、校務分掌の削減や統合も同時に行わなければ、仕事が増える一方で、職員の負担が増し、組織が機能不全に陥る恐れがある。校務分掌の新設と改廃をバランスよく行うことで、学校改善のための機能的な組織が確立できる。

校務分掌は、人材育成の機会・方法にもなり得る。ある分掌を熟知している職員とそうでない者を組み合わせるなどの工夫をしたい。校務分掌への配置は、学校運営の安定と人材育成をバランスよく考えて行いたい。

運営の安定を図るために、いわゆる“そつがない・働ける・できる職員”に複数の重要な分掌が配置される傾向はないかをチェックする必要がある。忙しく働く職員とその逆の職員が存在していては、不満が出たり職員の和が崩れたりする恐れがある。職員間の校務負担の偏りを極力少なく配慮するのも校長の仕事である。

校務分掌については、誰がどの分掌を受け持っているかが分かりやすくなっていると、個々の負担を容易に計り知ることができる。

職員の意欲高揚―多角的な理解から

春は明るく力強い“気”に満ちた季節。年度の変わり目は心機一転の大きな機会でもある。この時期に、職員の意欲高揚を図りたい。学級担任になりたい、前年度受け持った子供たちを引き続き受け持ちたい、○○部の顧問になりたいなど、職員はさまざまな希望を抱えている。一方で、不安も抱えている。職員が意欲的に校務に励み、学校が活性化する状況をつくるには、まず、職員をよく理解することから始めたい。アンケート・個別面接・日頃の雑談・他者からの情報などで、夢・希望・得意・不得意・努力していること・経験・人間関係・趣味・職員個人および家族の状況など、職員を多角的に理解したい。それらを職員管理に活用すれば、職員の意識や動きが大きく変わってくる。

職員の希望がかなう校務分掌への配置、仕事がやりやすい職場環境の整備、不安を解消するような言葉かけやサポート体制の構築などにより、全職員が意欲を持って1年間のスタートラインに立てるようにしたい。

注意すべきは、消極的で責任や負担が重い分掌を避けたい、わずらわしいことや面倒なことはしたくないというような職員に対してである。話をしっかりと聞いた上で、判断は厳格に下したほうがよい。子供たちの指導にあたり職員が面倒をいやがり、手抜きしたために、学校全体が消極的な雰囲気になってしまった結果、学級崩壊や学校が荒れてしまった事例は枚挙にいとまがない。

仕事をする以上、厳しさやつらさがあるのは当然である。苦手なことや新しいことにチャレンジし、資質向上のために努力するのは教員の義務でもある。仕事に対して職員が積極的に責任を持って向かう職場の雰囲気づくりも校長の仕事である。

校長から相談を持ち掛けられたり、学校運営にアイデアを取り上げられたりした職員は、教育活動に対してより前向きに取り組むようになる。職員の発想を上手に使うのも校長の資質・能力の一つである。

職員全員の力を生かし、活力ある学校の基盤を4月の初めにつくっていこう。

 

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