【連載】多様な先生に学ぶ 学外人材活用と体制 6 学校支援8年間の実施経過

NPO法人スカイ学校支援ネットワークセンター理事長 森本芳男

平成20年に改訂され、23年度から小学校で全面実施された前学習指導要領は、18年の教育基本法改正に対応したものだった。そこでは、学校、家庭、地域住民とその関係者の教育における役割と責任、連携協力の必要性が記されている。

学校、家庭、地域などを結ぶ新たなシステムとして、文科省は20年度に、学校支援地域本部事業を開始した。翌21年度に東京都墨田区教育委員会は、国庫委託事業として「学校支援ネットワーク事業」(学校支援地域本部事業)を、区内13中学校を対象にスタートした。

教育委員会専属の地域コーディネータが各中学校を訪問し、学校支援に関するニーズの掘り起こしを行った。中学校からの主な期待は、キャリア教育に関する出前授業だった。

協力団体は、商工会議所、経済同友会、日本IBM、青年会議所、ボランティアセンターなど17団体。出前授業メニューは「ようこそ地域の先輩」「マナー講習」「経営者による出張授業」「○○になるには?」など20のメニューだった。

22年度には、支援対象を小学校26校に拡大し、出前授業のメニュー数を20から66に増加した。実施学校数は延べ29校から70校にまで増えた。メニュー数の拡大は協力事業者と学校、双方の願いで、それ以降、地域や企業などに積極的に働きかけてメニュー数の拡大に努めた。

24年度、発足から3年間で出前授業メニュー数、事業実施校数が3倍となり、活動が定着した。授業メニューは学校のニーズを重視し、学習指導要領の改善事項である「言語活動」「理数教育」「伝統・文化」「道徳教育」「キャリア教育」「食育」などに移行した。

27年度からは、地域や企業からの要望などもあり、事業の一部をNPO法人スカイネットワークセンターに委託し、他地域への支援も視野に入れて事業を継続実施した。

28年度の事業実施回数は延べ355校で、125種類のメニューを実施した。メニューの活用率は約41%。「租税教育」「水道キャラバン」「職場体験」など、キャリア教育が84件で最も多かった。次に「昔のくらし体験」「北斎の授業」など伝統文化が53件、小学校を中心に「おなか元気教室」「食育セミナー」など健康や食育への関心が高い。

実施時期は6月に53回、9月が70回、10月は65回。この間は、土曜授業や学校公開日に79回と積極的に活用されている。

発足から8年、事業は墨田区を超え、支援者の輪も広がり、教育活動に有効に活用されている。

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