【連載】目指せ管理職 学校管理職合格講座 IV 第3回 学校管理職の魅力・やりがい

教育新聞 教育管理職研究会編

 

他の教員を通してより多くの喜びを
○40人の笑顔を400人の笑顔に

未来を託す児童生徒の育成という使命を持つ学校の責任は重い。教職員、保護者はもちろん、関係者の力を総合的に発揮し、目標達成に向けて方向を定め、舵を取る船長としての校長は、責任は重いが、やりがいのある職である。

おそらくほとんどの教員は、給与の高さや待遇の良さで教職を選んだのではない。仮にそのような教員がいたとしても、ごく少数であろう。毎日、子供の笑顔を見ていられる喜び、彼らの涙でさえ共有できる喜びを一度でも経験した者ならば、教職にあることに心からよかったと思える者がほとんどのはずある。

子供たちとそのように直接接してきた教員が管理職になり、他の教員を通してしか彼らの成長過程が見られなくなることに、一抹の寂しさを感じるのも確かだ。しかし、管理職になれば、他の教員を通してより多くの笑顔や喜びを感じる可能性がある。40人の笑顔ではなく、400人の笑顔を支えられるようになる。管理職手当のために管理職になるのではなく、笑顔を10倍にするために管理職になりたい、とぜひ思ってもらいたい。

○副校長(教頭)とともに

「校長が変わると学校が変わる」とは、よく言われる。しかしながら、校長の思い描く学校を目指し、全ての教員がすぐに同じ方向に向くとは限らない。学校現場には現状維持的な傾向があり、変化や改革はなかなか難しいとの声を耳にする。校長を補佐すべき副校長(教頭)が重要な役割を果たすのだが、2~3年で異動がある管理職の場合は、校長の交代で昨年までの方針が大きく変わってしまうこともある。こうした場合、最も大切なのは、校長と副校長(教頭)の連携の強さである。副校長(教頭)には、校長に具申はしつつも、校長の思いや願いをそしゃくして教員に伝え、全体を動かしていく役割が求められる。

管理職間の共通認識が大事となる。管理職が考えている理想の姿は、そう大きく変わらない。子供が好きで、地域が大切で、先生方の力を伸ばそうと考えている。従って、校長の思いをかみ砕き、自分のものとして消化してから教員に提示すべきであり、校長の副校長(教頭)への指導は、子供たちへの指導の手立てを考えるのとまったく同じである。

○教職員のための管理職

管理職の管理対象は、「教育・職員・施設・事務」の4つと、「職務上・身分上」の2つの監督である。一つひとつを別々なものとしてとらえるべきではない。全てが一体なものとしてとらえる必要がある。これらは、全て「教員」の管理であるといってよい。各教員が直接子供たちの教育を担い、自身の服務を律し、担当施設を管理しているからである。また公務員として職務上・身分上、適正に処理されていなければ、信用を失う。全教員が6つの対象を正しくとらえ、いわゆる校長の4管理2監督に耐え得る力量を身に付けていなければならない。それを実行できない学校は、崩壊するのに時間がかからないだろう。

教員一人ひとりを服務面だけでなく、仕事内容や時には私生活の悩みにまで注意を向け、正しく評価や助言を与えて安心して仕事ができるようにしてあげたい。教員のための先生になれるのが、管理職の仕事だ。管理職自身の教職のノウハウも伝えていきたい。それができるのは、同僚ではなく管理職である。

関連記事