【連載】学校経営“旬”の課題 「教職研修」岡本編集長の3分解説 第11回 管理職がまず先生をほめる

4月、新人・若手が職場に来る季節です。しかし同時に、新年度のスタートに当たり、誰もが余裕のない季節。

管理職にとっては、「人を育てる」ことが本来の業務です。新人・若手の人生の大切なスタートであることを肝に銘じ、「人を育てる」ことに注力いただけることを、切に願っています(環境の整備がなされんことを……)。

さて今回、人を育てるために提案したいのが、「ほめること」です。菊池省三先生の著書『ほめ言葉のシャワー』は有名ですが、大人同士でも「ほめること」は重要なのです。

人は誰でも、ほめられれば自己効力感や挑戦意欲、内発的モチベーション、組織への一体感、評価や処遇に対する満足感などを高めることが明らかになっているのですから(太田肇『承認とモチベーション』同文舘)、ほめない手はありません。

では、どうほめればよいのでしょうか。

「ほめればいいんでしょ」といういい加減な態度は簡単に見抜かれます。かえって逆効果。

ほめるのに必要なのは、「スキル」ではなく「マインド」。「この管理職にほめられたい」と思われるような、「あの人にほめられた!」と喜ばれるような管理職を目指したいです。

一つ具体例を紹介します。民間人校長の平川理恵先生(横浜市立中川西中学校)は、全ての先生の授業を年に一度は必ず観に行きます。

生徒と同じ席に座り、50分の授業をフルに観たうえで、気付いたことをその先生にフィードバック。さらに、良いところを学校便りやホームページを通して外部に発信しています。

授業者にとっては、日頃誰にも何にも言われない授業の良いところをほめてもらい、自信が付くとともに、家庭や地域からの信頼も高まるという効果があるそうです。

管理職が先生をほめると、先生が学級などで子供をほめるようになります。やがて子供同士でほめ合うようになる「ほめる文化」が学校で醸成されます。

「ほめる文化」のある学校で、いじめなどは起こりにくいのではないでしょうか。そんな学校への第一歩が、まず管理職が先生をほめることなのです。

【岡本淳之】

【『教職研修』5月号のヘッドライン】巻頭は山田昌弘中央大教授「学校は、『恋愛』に向き合おう」。若者の恋愛離れは、学校に起因すると警鐘を鳴らす。特集1「2017年3月告示! 小・中「学習指導要領」総則を読み解く」。特集2「管理職がほめれば、教職員は伸びる!」。