【連載】教育の連続性を考える 公立中高一貫校の現場から 第2回 カリキュラム・マネジメント

教育ライター 佐藤 智

 

新学習指導要領には、カリキュラム・マネジメントの重要性が掲げられた。

このカリキュラム・マネジメントは、公立中高一貫校を大きく後押しする、と私は考えている。

カリキュラム・マネジメントは、学校の教育目標を踏まえて教科横断的な視点で教育内容を編成していく「カリキュラム・デザイン」、子供たちの姿や地域の現状に基づき、教育課程を編成、実施、評価、改善を図る「PDCAサイクル」、必要な人的・物的資源を学校内外から活用し、効果的に組み合わせる「多様なリソースの活用」が大きなポイントだ。

公立中高一貫校には、教育課程の特例措置(中高一貫教育の利点を生かして、6年間を通じた特色あるカリキュラムを編成できる)がある。

その中で、「中等教育学校後期課程及び併設型高等学校における指導内容の一部については、中等教育学校前期課程及び併設型中学校における指導の内容に移行して指導することができること」と示されている。

よって、「カリキュラム・デザイン」のインパクトが、一般校よりも大きいと考えられるのだ。

中学校での学習内容を高校でも重複して学ぶことは少なくない。

中高一貫教育の中では、そうした無駄を、中高の教員が話し合いながら省いていくことができるだろう。

もちろん、ただ重複を削ればよいわけではなく、生徒が忘れがちな部分はスパイラルに学ばせていく必要もある。

実際に、効果的なカリキュラムを作成できている公立中高一貫校の生徒からは、「中学校3年生の時点で高校の数学を学んでいたので、高入生がつまずいていた分野もすんなりと理解できた」という声が聞かれている。

こうした「カリキュラム・デザイン」は、国・数・英だけでなく、理科でも大きな効果をもたらすと考えている。

周知の通り、今回の学習指導要領で、高校理科の指導内容は増量した。

そこで、例えば、理科の基礎科目の一部を中学校に下ろすことができれば、公立中高一貫校のカリキュラムは、学校方針により合致した、効率的・効果的にブラッシュアップされたものになるかもしれない。

学校目標に合わせたカリキュラム・マネジメントを実現すれば、多くの公立中高一貫校で、一層、子供たちの力を伸ばしていくことができるようになるだろう。

 

関連記事