【連載】教育の連続性を考える 公立中高一貫校の現場から 第3回 バランス型と一芸秀でる型

教育ライター 佐藤 智

私は仕事柄、「公立中高一貫校にはどんな子が受かるのでしょうか?」という質問をされる。小学校教員に話を聞くと、公立中高一貫校に入学するのは、「バランス型」か「一芸に秀でる型」の子供だという。

「バランス型」の子供たちは、いわゆる「読み・書き・そろばん」の学習ができるだけでなく、音楽や図工など芸術科目でも活躍し、学級委員や行事の実行委員など中心人物になる子だという。周りの子供からの信頼も厚い。

「一芸に秀でる型」の子供は、科学的なことに強い関心と大人顔負けの知識を持っていたり、ピアノでよい実績を収めていたりする子が多いという。

そして、どちらのタイプにも共通することが2つある。1つは「将来的なビジョンを持っていること」「この分野に関心があるので、これを大学で学び、将来はこんな仕事に就きたい」などと語れる子だ。

そしてもう1つは、文章表現力を中心に、自分の考えをきちんとアウトプットできるということ。これは、公立中高一貫校が文章読解や経験に基づき、考察を書く内容を受検で出題することから、問題と相性がよい子供が合格しているといえるだろう。

拙著『公立中高一貫校選び 後悔しないための20のチェックポイント』(ディスカヴァー21)でも紹介したが、公立中高一貫校の生徒は、学習にも部活動にも行事にも邁進する傾向が強い。そして、6学年の先輩・後輩関係の中で、生徒は大きく成長する。

実際に卒業生に行事の思い出を聞くと、中学生の頃は高校生に対して、「こんなにレベルが高いんだ。足を引っ張らないように頑張らなければいけない」と思い、高校生になると「中学生をどう巻き込んでいったらよいか」を話し合いながら行事を作り上げていったという。

こうした学校像だからこそ、入学段階でも“リーダーシップ性”や〝努力し極める力〟が重視されるのだろう。

中には、「実態を知らなければ進路指導ができない」と言い、公立中高一貫校に見学や出前授業などに行った小学校教員がいた。目の当たりにした公立中高一貫校の生徒の好奇心の強さに、衝撃を受けたという。

当然のことながら、中学校の選択肢が増えれば、小学校において「進路指導」が必要になる。生徒の適性に合った進路指導ができるよう、小学校と中学・高校の接続も、今後一層注目されるようになるだろう。

関連記事