【連載】もっと輝く若い教師 ―支えの手があれば―6 校内研修によってサポート

若い教師を応援する会代表
共栄大学教育学部教授 和井田節子

授業は複雑で難しい。「納得のいく授業ができない。それにもかかわらず、授業の準備に費やせる時間が少ない」と、向上心がある多くの若い教師は悩む。

授業には、(1)授業内容=教科に対する深い理解(2)授業方法=どう教えるかというバリエーションの多さ(3)子供の見取り=子供の学びの状況の把握――の3つの力が求められる。学校の多忙さの中で、授業の3つの力をつける機会と時間を、日常的、システム的に確保する工夫をしなければ、納得できる授業づくりは困難である。

研修の時間や機会の確保を工夫している教育委員会もいくつもある。ある自治体では、小学校では教頭や教務主任などができるだけ専科として授業をする方針で、担任に空き時間を作り、学年で授業の相談ができるようにしている。また中学校では、1人の教員が全学年の授業を担当するのを奨励している。教師側は教える科目数が増えて大変になるが、同じ科目、同じ学年の担当者同士で相談せざるを得なくなり、それが若い教師の力になる。何より3学年にわたって教えることで、3年間の生徒の成長が体感できるため、成長の見通しを考慮した指導ができるようになるという。

学校として授業研究会を軸に、若い教師を育てる学校も多い。埼玉県幸手市立権現堂川小学校は、各学年1学級の小規模校である。協働的な学びをテーマに、校内授業研究会で教員同士が協力しあって3つの力をつけている。数人の研究者などの協力で効率的に授業づくりを進めており、全教員が年に1度授業を公開する。事前に研究者も管理職も交え全教員で授業デザインを考える。筆者も関わっている。教材を解釈したり、子供の反応を予測したりと、1つの授業を通して見える世界は深い。その中で(1)授業内容と(2)授業方法が深められ、共有されていく。

研究授業後の検討会では、子供がどのように学んでいたかを視点に徹底的に協議する。そこでは(3)の授業を見取る力が育つ。授業の難しさの前では全ての教師が対等である。授業を検討していく中で疑問が解けていく過程と、子供たちの変化を教師たちが楽しんでいるように見える姿は、この学校の特徴である。

「ふだんの職員室でも授業について尋ねると、先生方がみんなきて話が広がる。とてもうれしく勉強になっています」とは、その学校で初任から育った教師の言葉である。

日常に研修の機会を織り込み、その時間をみんなで確保する工夫そのものが、若い教師に授業のやりがいと楽しさを与え、成長を支えている。
次回は、管理職による若い教師への支援について考えたい。