【連載】もっと輝く若い教師 ―支えの手があれば―7 管理職はこうサポートしよう

若い教師を応援する会代表
共栄大学教育学部教授 和井田節子

 

管理職は、若い教師の授業を見てアドバイスする機会が多い。初任時代に毎日、校長から1時間、叱咤激励されたという教師は、当時を振り返って「つらかったが忍耐力がついた」と言う。より効果的な教員的支援を考える必要がある。

管理職は、授業に対しては、指導法を伝えるよりは、子供を見取る力を育てる方がいいように思う。

後ろから教師を見るのではなく、前から子供の学びを観察し、子供がどこで授業に没頭し、どこで分からなくなったか、あとで名前を挙げながら伝えるのである。そして、次に授業に行ったときに、それらの子供たちの変化について協議する。

そのような関わり方をしている学校の若い教師たちは、授業をもっと見てほしいと言う。アドバイスが子供の姿を通して行われるので、助言に傷つくことも少ない。そういう管理職には、相談もしたくなる。

若い教師は管理職に相談したいと思うときに、プライベートも含めて相談できる存在でいてほしいと思っている。若い教師が管理職に相談するときには、抱えている問題を解決してくれる、あるいは具体的な解決への道筋を示してくれるのを期待しているものである。

しかし、管理職から見ると、その多くは管理職が出ていくような種類の問題ではない。あるいは、今すぐ解決するには難しい事柄や内容である。

とはいえ、組織全体が見えないから若い教師なのである。だから、まず誠実に共感的に聞き、次に解決に向けた協力を考えてほしいと思う。学校文化の中で見えなくなっている部分に新鮮な視点で光をあて、組織改善につながるアイデアを示すこともあるという気持ちで、困り感を聞いてほしい。聞いてもらえるだけでも、若い教師にとって問題を整理する機会となる。困っているのはなんとかしたいと思う向上心なのだから、そこにエールを送る。

管理職に対して、結局は何もしてくれないと感じさせてしまうのは、その後のチャレンジによる成長の幅を狭める事態にもなり、もったいないことである。

解決できない、あるいは解決すべきでないことでも、その話を目の前でメモしながら受け止める姿勢は大事である。解決に協力してくれそうなベテランとつなぐことができる問題であれば、それが若い教師への支援体制づくりになる。校内だけでなく、研究所や大学などの外部機関を紹介できることであれば、それは学校に科学的な知見にアクセスできるシステムを構築することにもつながる。

若い教員は、結婚・育児など人生の大きな変化の時期にも生きている。若い教師にとってワークライフバランスへの思いは切実である。そのためにも、公平で適材適所な配置を若い教師は求めている。たとえ早急な解決が難しくとも、公平な配置への努力や解決に向けた校内体制づくりの姿勢は伝えたいものである。

(おわり)