【連載】対話 そして 未来へ SCとして子供と寄り添う 1 関わりから多くを学んできた

大阪教育大学教授 家近早苗

私は現在、大学の教員をしていますが、小学校の担任、児童自立支援施設での子供たちとの生活、スクールカウンセラー(SC)の経験をもっています。現在も中学校でSCをしています。そしてその中で、自分自身の子供の見方や人生観も、子供たちとの関わりの影響を受けて変わっています。

◆子供の成長のすごさ

小学校教員のときは、子供たちは自分(大人)を超えて成長していくものだと思っていました。私が2年生の担任から5年生の担任になったときのことです。5年生の国語の教科書を見た私は、漢字がたくさん並び、文字の小さい教科書に感動してしまいました。たった3年間で子供はこんなにもたくさんのことができるようになるんだ、子供の成長はすごいと感じました。

◆生きてるだけでまるもうけ

何年か前に観たテレビで、明石家さんまさんが娘のいまるさんの名前の由来について、「生きてるだけでまるもうけ」と話していました。AIさんの歌「みんながみんな英雄」の歌詞で「たまに晴れたらまるもうけ」というのも素敵です。

児童自立支援施設で支援が必要な子供たちと接していると、小学校教員のときのように、子供を伸ばすことばかりにとらわれなくても良いのかなと思うようになりました。私が働いていた児童自立支援施設の子供たちの多くは、何らかの虐待を受けていました。そのような子供たちと接していると、生きていることに対する感謝や大切さ、そして「法に触れるような悪いことをせず、自分の食べる分を自分で稼ぐ」ことで人間は十分なのではないかと思うようになりました。

また目の前にいる子供は、違う家庭や環境の中で育ったら、非行少年と言われることもなかったかもしれないと思うことも少なくありませんでした。

◆支えることの大切さ

子供にとって教師や保護者は重要な援助者です。こういう大人たちの支えを受けて子供たちは、自分の力で生きていきます。SCとして関わった子供たちは、少しの間、自分の力が弱くなっている状況にいます。

しかし、しばらくの間、子供を支えると、ほとんどの子供は驚くほど元気になります。今は、子供を支えることの大切さを感じています。

教師がもつ子供への見方は、子供に指導するときや支援するときに影響を与えるのではないでしょうか。そして、目の前の課題や問題ばかりでなく、子供の遠い未来を描くことで、援助者である教師も頑張れるのではないかと思います。