【連載】学校経営“旬”の課題 「教職研修」岡本編集長の3分解説 第12回 いじめに向き合える時間を

平成25年に施行された「いじめ防止対策推進法」。文科省は同法を踏まえて同年、国の「いじめの防止等のための基本的な方針」を策定し、教育委員会や学校現場への取り組みを求めてきました。
しかし、その後も、いじめ事件が全国で相次いで発覚しているのは周知の事実。

同法の施行後3年を目途として施行状況を勘案・検討し、必要な措置を講ずるという規定を踏まえ、文科省は今年3月に基本方針を改定し、「重大事態の調査に関するガイドライン」を策定しました。
基本方針の主な改定内容は、次のようです。

(1)いじめの認知について、けんかやふざけあいに対しても背景の調査を行って、いじめに該当するか否かを判断する。

(2)学校のいじめ防止基本方針に基づく取り組みの実施状況を学校評価の評価項目に位置づける。

(3)学校におけるいじめの防止等の対策のための組織には、学校管理職や主幹教諭、生徒指導担当教員、学年主任、養護教諭、学級担任、教科担任、部活動指導に関わる教職員、学校医などから、組織的対応の中核として機能するような体制を、学校の実情に応じて決定する。スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなども参画させる。

(4)学校の特定の教職員が、いじめの情報を抱え込み、学校いじめ対策組織に報告を行わなければ、同法の規定に違反し得る。

(5)いじめが解消している状態とは、少なくとも次の2つの要件が満たされていること。(a)被害者に対する心理的または物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む)がやんでいる状態が相当の期間(3カ月を目安)継続していること、(b)被害児童生徒がいじめの行為により心身の苦痛を感じていないと認められること。

文科省では、学校の法に基づくいじめ対応が不十分であると指摘しています。ただでさえ多忙が指摘される学校現場。まず管理職が中心となって校務を改善し、教員がいじめ対応に向き合える時間をつくることから始めていただきたいと思います。 (おわり)

【岡本淳之】

【『教職研修』6月号のヘッドライン】巻頭は森達也氏(映画監督・作家)、「ポスト真実時代の教育」。特集1は「いじめ対応、何がうまくいっていないのか――『基本方針』改定、『重大事態ガイドライン』策定を受けて」。特集2は「『校長・教員等の資質向上』制度はどう変わるか」。

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