【連載】目指せ管理職 学校管理職合格講座 IV 第6回 こう発揮する校長の指導力

教育新聞 教育管理職研究会編

新指導要領への対応で
○この1年、教員の深い理解と納得を目指す

教育課程の編成・実施は、校長の職務としての管理・監督の中核といえる。新学習指導要領の全面実施に向けて確実に準備を進めたい。

今次の改訂では、「どのような資質・能力を伸ばすのか、目標を明確にすること」「何を学ぶのか」「どのように学ぶのか」「教育課程のあり方とその実施には何が必要か」などが明確に示された。そこが、今までの学習指導要領とは大きく変わった点である。

全面実施への準備には、教員が、改訂の趣旨や内容について、表面をなぞる読みや浅い理解ではなく、「なぜ」「なるほどその通りだ」「自校でも全力で取り組もう」などと心から理解し、納得することである。校長は、時間を確保し、じっくりと協議を重ね、取り組みの意欲を高めることである。それには、副校長(教頭)、主幹教諭、指導教諭、教務主任等の打ち合わせを十分に行い、研修内容と方法をしっかりしておく。また常に、自校の教育課程、指導計画や授業の実際と対比させながらすすめる(中教審「学習指導要領等の改善及び必要な方策等について〈答申〉」などを参照したい)。

○教育課程の編成・実施、指導力発揮の主な留意点

(1)「社会に開かれた教育課程」の実現への取り組みについて
児童生徒が社会人として成長するために、どのような行事、体験や授業を効果的に教育課程に位置づけるか。また社会との連携で教育の目的を実現させるため、地域の有する文化、自然、人材なとを活用した教育活動をしっかりと位置づけたい。

また示された資質・能力の3つの柱を各教科等の指導計画に位置づけること。これらには相当の知恵と工夫と試行の積み重ねが必要となる。

教育課程の編成は組織的に、全教員が関わって行う。教科主任や教務部など教科に関する人材や指導教諭、主幹教諭などをメンバーとしたチームを編成し、取り組むこととなる。その際、編成の重点の設定から進め方まで、校長の指導は欠かせない。校長は、メンバーの力量を見極めながら適宜・的確に指導・指示していかなければならない。

また立案から実施、評価までのルールや決定の仕組みなどを明確にして取り組みたい。

(2)「カリキュラム・マネジメント」への取り組みについて
教育課程の確実な実効性を求めて示されたものである。育てたい資質・能力によって教科横断的に学習が進められる場合がある。また学校外の教育力の活用による教育の質の向上を図らねばならない。それらが位置づけられた教育課程を家庭・地域と連携し、協働して確実に実施していくためである。常に、児童生徒の成長の様子や実施上の課題等を明らかにし、さらに改善していくことが求められる。

大事なのは、各教員が日々の授業を教育課程、指導計画と一体的に捉えて実践することである。そして、一人ひとりの教員がマネジメント・マインドを持ち、日々の授業に臨むことである。

(3)「主体的・対話的で深い学びと授業改善」への取り組みについて
「児童生徒の興味・関心に基づいて、気づきや考えを大事に、体験を通して、などに配慮し、日々の授業を実践してきた。改めて『主体的・対話的で、深い学び』を考えなくともよい」との意見もある。

しかし、校長は、日々の授業が児童生徒の目線から「今までの授業は本当に身につくよい授業であったか」見直す必要を強調したい。特に、「各教科特有の見方・考え方を生かし、働かせた指導計画」の作成や授業の必要性を追求させたい。また他との意見交換や客観的なデータに基づいた比較等による、よりアクティブな学びとすることで、積極的・意欲的な学習態度が生まれる。

さらに、学習内容を、社会や自己の生き方と関わる学習とすることで、より生きた、深い学びとすることができる。日々の授業実践を重視する校長の姿勢と指導が望まれる。

(参考)

学校教育法施行規則 第五十二条 小学校の教育課程については、この節に定めるもののほか、教育課程の基準として文部科学大臣が別に公示する小学校学習指導要領によるものとする。(中・高同様)

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