【連載】クオリティ・スクールを目指す 第101回 学校業務改善に大きな期待

教育創造研究センター所長 髙階玲治

方策を早急に広げる努力を

最近、国を挙げて「働き方改革」の論議が行われているが、教員の働き方についての根本的な業務改善も求められている。そのため文科省は、大学教員や法律学者、元校長、教委関係者など、専門的な立場からのアドバイザーを学校に派遣して、6月から業務改善に向けた取り組みを始めるという。

そうした動きの中で文科省は4月28日に、平成28年度の小・中学校教員の勤務実態調査の速報値を発表した。勤務実態については周知のように、10年前に大がかりな調査が行われており、それと比較すると、平日1日当たりの平均勤務時間は小学校で43分増の11時間15分、中学校で32分増の11時間32分であった。各8%、9%の増加である。

何が勤務時間の増加となっているかが重要であるが、調査によれば、準備を含めて授業にかける時間が30分増えているという。現行の学習指導要領に改訂されたときの授業時間増が大きく影響している結果である。一方で、学級経営や成績処理、事務などの時間は減っていない。

実のところ、学校業務改善アドバイザーへの期待は大きいのであるが、教員の勤務時間の抜本的な解決策は難しいであろう。文科省はこの調査を受けて中教審に諮問するというが、ぜひ具体的で実効ある解決策を創り出してほしいと強く考える。

例えば、中学校の部活動が課題になるが、外部指導員を増加させたいと考えても、地域によっては人材が見つからないという状況が見られるであろう。一方、教員の自発性や部活における「やり抜く力」の形成を考えれば、部活そのものの多忙化の誘因は残るであろう。

しかし、次期学習指導要領は授業改善への期待が大きく、教師の授業力やカリキュラム・マネジメント力の向上は学校教育の差し迫った課題である。すでに校内で取り組みを始めている学校も多いであろう。学校教育の使命と多忙化の誘因とのバランスもまた必要である。

そこで中教審論議や学校業務改善アドバイザーに期待したいのは、多忙化解消の成功事例を早急に公表してほしいことである。学校は今すぐにでも必要と考えるであろう。

また学校独自に創意工夫して業務改善の実をあげている場合も見られると考える。そうした事例を発掘して公表することも大切である。そうした動きの中で、何が学校教育の基本的な業務であるかを問い直すことが重要である。「学校が教員の長時間勤務に支えられている状況には限界がある」とする文科大臣の認識には、極めて重いものがある。

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