【連載】対話 そして 未来へ SCとして子供と寄り添う 4 子供の行動の意味を理解する

大阪教育大学教授 家近早苗

援助者として子供に関わるときには、子供が何を感じ、何を考え、どのような行動をしているのかを理解することから始めます。しかし、子供にとって自分の思いや感情を言葉にするのは難しいです。それでは、そのような子供の気持ちをどのように理解すればよいのでしょうか。

◆子供の行動の理由を見つける

Aくんは、学校ではやんちゃでじっとしているのが苦手です。また「小さなこと」でかっとなり、先生から注意される場合が多くあります。

ある日、Aくんが友達に飛びかかろうとしました。そばで見ていた先生も周囲の子供たちも、理由が分かりませんでした。興奮しているA君は、友達が自分をバカにしたからだと言います。しかし、落ち着いてから話を聞くと、きっかけは友達が「女の子をからかったから」でした。

Aくんはすぐにかっとなることがありますが、そのときには必ず、Aくんなりの理由があるのです。

◆理由を子供自身が分かる

このような子は、本来の怒りの理由とは異なる刺激や出来事などに反応する場合があります。初めの理由は友達が「女の子をからかったから」だったとしても、友達が自分の言葉を無視したとか、周りの子が笑ったとかいうことで、怒りが大きくなってしまいます。この時点で、自分が怒った理由が「バカにされたから」に変わっていきます。そして、なぜ自分が怒っているのかが自分でもよく分からなくなるのです。

そして、よく分からないまま教師から注意されると、「自分はダメだ」とか「いつも自分ばかりが叱られる」とかの思いにつながります。このような教師の指導では、子供が自分の行動を修正することができません。

まずは、子供の行動の意味を子供自身が理解できるように指導する必要があります。

◆子供を支え、道筋を示す

子供に、良い行動は良い、良くない行動は良くないとも伝えなければなりません。

Aくんには、「正義感が強く、女の子には優しい子」だという良い点をフィードバックし、一方で、友達に飛びかかる行動は認められないと伝える必要があります。そして、良くない行動を他の行動に変えることを子供と一緒に考え、代わりになる行動を探すように働きかけることや例を示すことも必要です。

子供が少しでも自分の行動を変えようとしたときには、見過ごさずに「できていること」をフィードバックすると、子供はだんだんと上手に行動できるようになります。