【連載】クオリティ・スクールを目指す 第102回 今どきの「カタカナ語」

教育創造研究センター所長 髙階玲治

簡便な解説パンフが著された

最近、特にカタカナ語が氾濫している印象であるが、漢字+ひらがな+カタカナの古代の発明には驚くほどである。ただ、学校教育では以前、漢字+カタカナが主流であった。昭和16(1941)年の『尋常小学算術六学年』の教科書をみると、「勾配ハ水平距離ノ長短ニハ関係ガナイコトヲタシカメヨ」と書かれている。

戦後になって漢字+ひらがなが主流になるが、カタカナは別な役割を果たすことになった。外国語の表記に活用され、読みが便利になった。ただ、最近のカタカナ語は英語をそのままカタカナで表記しているものがある。日本に住むあるイギリス人が、日本語を全く知らないイギリス人に、10分あれば100語程度の日本語を教えられる、と冗談に書いていた。

ともあれ、教育の世界にもカタカナ語が氾濫している。例えば以前、辞書にない新しいカタカナ語が急に目立つようになった、と気づいたのは総合的な学習が導入されたときであった。例えば、ウェッビング、プロセスモデル、ポートフォリオ、ポスターセッション、ゲストティーチャーなどさまざまみられた。

今では、教育用語としてかなり多くのカタカナ語が用いられるようになった。アクティブ・ラーニング、キー・コンピテンシー、ダイバーシティなど数え切れない。意味を理解するのに手間取るものがある。誰もが簡単な解説書が欲しい、と考えるであろう。

ところで、そのような思いに応えるような簡便な8ページの冊子が著された。「今どきの『カタカナ語』これでスッキリ」(教育出版教育研究所)である。135のカタカナ語が簡単な解説や意味とともに載っている。他に、TALISやAI、IoTなどの言葉もみえる。

今後はますますカタカナ語が増えることは確かであろう。教育情報が国際的に飛び交う時代なのである。日本語の適切な訳が見いだせない場合、外国語をそのまま使用した方が分かりやすいということがある。また他者の理解が可能であれば、積極的に使用することも考えられる。ただし、無理して外国語を過剰に示す例も多くあって、考えものである。教師の拒否反応には、案外強いものがある。

本質的な意味合いは、正しい言葉を通して教育の世界を誤りなく認識することであって、カタカナ語を曖昧に使用すると、誤りを犯しかねない。その意味で、新しいカタカナ語に慣れることも必要である。

ただ、すぐには慣れない。そこでこの冊子の力を借りる。その意味で「今どき」発行してくれたことの意義は大きいのである。この冊子が広く伝わるのを期待したい。