【連載】協育で楽校に ― 社会に開かれ学校はこうなる(4)学校と企業の協働が広がる

eye-catch_1024-768_wakae(株)キャリアリンク代表取締役/第9期中教審初中教育分科会臨時委員 若江眞紀

関わる人皆が学びの機会に

学校での学びが実社会とどのようにつながっているのかを、発達段階に応じた身近な分かりやすい題材や事例で知り、実感できれば、子供たちは自分が学んでいる事柄の意味や価値を理解し、少しでも学びに対して主体的に関われるのではないでしょうか。(参照PDF

「社会に開かれた教育課程」では、教科の単元学習の導入や発展、総合的な学習のテーマとしてなど、さまざまな学習機会で社会とつながる学びの機会をもちたいものです。
そうした学びでは、

(1)子供たちの興味・関心をより引き出せる

(2)社会と関わる身近で具体的な題材によって学べる (3)主体的、能動的に考え、体験する(思考力、判断力、表現力)――を実現できます。

子供たちには、このような学習を通して自分と周りの関わりを意識し、市民としての視点(シチズンシップ)や自覚を醸成しながら、家庭や地域・社会における自分自身の存在や役割を認識し、発揮するための資質・能力を身に付けてもらいたいのです。

企業は、誰かや何かを対象に、求められる商品やサービスを提供する事業によって経済活動をしています。その事業を維持発展させるために、常に社会に興味関心を持ち、その変化や人々の要求を観察して新商品や新サービスを創造し続けています。そうして経済や社会を発展させているのです。

企業のそんな取り組みと同様のスタイルで、子供たちを主体的、協働的に思考・判断・表現活動させる学習手法の一つが、プロジェクト型学習です。

ある課題への解決策を導くために、個人やグループ、クラス全体で課題について考え、よい良い方策を創造し、結果の評価を繰り返し、既習の知識・技能を活用しながら資質・能力を向上させていくのです。

企業経営者や管理職のように、目標を見失わないよう支え導く〝指針提示者〟として、学習目標到達へのアシスト役を担うのが教師の役割です。これによって子供たちを主体的な学習へと導くのです。

最適な学習段階の最適な学習内容に企業の協力を得ることで、教科書から発展した、社会とつながる学びが実現します。それは、学校と企業の連携・協働に関わる人みんなにとっての、深い学びの機会となるのです。

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