【連載】協育で楽校に ― 社会に開かれ学校はこうなる(5)教育は企業にとっても重要

eye-catch_1024-768_wakae(株)キャリアリンク代表取締役/第9期中教審初中教育分科会臨時委員 若江眞紀

社会の力を学校の力にする

CSR(Corporate Social Responsibility=企業の社会的責任)の中でも、次世代育成をキーワードとした学校教育支援に注目が集まっています。(参照PDF

教育現場への企業講師派遣や教材の提供、職場体験の受け入れ、工場や施設見学の受け入れなど、企業が社会を構成する一員として、教育の実状に即して企業の価値を提供する。これにより教育活動に参画・支援するのを指して私たちは独自に「教育CSR」と呼んでいます。

次世代を担う子供たちの育成を支援する活動は、教育現場や地域社会への貢献であるとともに、企業にとっての将来の人材育成にもつながる「事業活動で得た収益を長期的な視点から社会に還元する」という新たな事業モデルといえます。

変化の激しい21世紀の知識基盤社会を、子供たちが自立して生きるために必要な資質・能力を育む重要性が指摘されています。学校で学ぶことと社会とのつながりを知ることで、将来の自分の社会的・職業的自立の基盤となる資質・能力の大切さを意識し、さらには、「生きることは働くこと。働くことは学ぶこと」という職業観や勤労観を醸成するのをねらいとしているのが「キャリア教育」ですが、日本のキャリア教育の転換期ともいえる今、「キャリア教育」は、社会全体の課題解決にもつながる大切な取り組みなのです。

すべての教科において、社会とのつながりを重視した知識・技能を活用する学びが求められていて、そのために教科横断型の総合的な学習の時間や特別活動の時間をうまく編成することは、カリキュラム・マネジメントのファーストステップです。

子供たちにとって、自分のクラスや学校、地域などの身近な題材をテーマに、発達段階に応じた資質能力を育成したり、発揮したりできるプロジェクト型の学習を系統立てて繰り返し経験すること。そのこと自体が、子供たちの貴重な“キャリア”になるのです。

そう考えると保幼小連携や小中連携、小中一貫がなぜ必要なのか、教員のみなさんならピンとくるはずです。その一方で、学校現場の大変さも痛いほど分かります。

だからこそ、教員のみなさんには、社会の力を学校の力として、うまく連携・活用してもらいたいのです。

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