【連載】変わる学校、変わらない学校ー学校マネジメント論(4)課題を重点化する方法

eye-catch_1024-768_senoo10教育研究家/学校マネジメントコンサルタント 妹尾昌俊

無難なビジョンにとどめないで、教職員の多くに腹落ちするビジョンをつくる。そのためには、まずは学校の重点課題をしっかり共有していくことだ。

試しに「本校の重要な課題を上から3つ言ってください」と教職員に聞いてみてほしい。どんな反応が返って来るだろうか。実際、私はそういうヒアリングをたくさん行ったことがある。校長、副校長・教頭、教務主任、学年主任、若手教諭などで、それぞれビミョウに違った答えの学校が多いと思う。忙しい毎日なのだし、各自があまりにもバラバラの方向を向いて仕事をしていたのでは、チーム力もあったものではない。

では、どうすればよいだろうか。

まずは課題分析が必要だ。ここでは、表面的な問題事象を捉えるだけではなく、その背景や要因についても、教職員の知恵とデータを活用していくのが大切だ。

例えば、あなたの学校で生徒指導に大変苦労しているのだとする。おそらく、この学校の重点課題は「生徒指導をしっかりする」ではない。それだと曖昧過ぎて広く、重点になっていない。また効果的な施策は「頭髪指導や服装チェックを徹底する」ではない。それは対症療法的な取り組みだからだ。

「授業についていけない子が多い」をどうするかが、より重要な課題ではないか。

「1日の大半の時間である授業が、ほとんど理解できない↓フラストレーションがたまる↓荒れの行動」という関係が読み取れる可能性が高いと思う。

本当にそこに重要な課題が隠れているかどうかは、生徒の様子を見たり、面談をしたり、QUなどのデータを活用・分析したりすることで、ある程度は確認できる場合も多いと思う。当てが外れているようなら、軌道修正すればよい。

だがそういうことも、課題や問題の背景等についての教職員の知恵を引き出す場があって可能になることだ。「生徒指導を徹底させる」といったような当たり障りのない、表面的なものが学校経営計画等にあっても、有効な取り組みは生まれない。

「取り組みの優先順位を付けるには、どうしたらよいですか」「学校には大事なことがたくさんあるので、取り組みを重点化せよと言われても、どうしたらよいか困ります」という学校現場の声をよく聞く。

取り組みや施策の重点化の前に、まずは課題の重点化が必要だ。そして、課題の重点化のためには、ショートカットはない。現実を確かに見ていくのが王道である。