変わる学校、変わらない学校 学校マネジメント論(7)学校はコミュニケーションが苦手

eye-catch_1024-768_senoo10教育研究家/学校マネジメントコンサルタント 妹尾昌俊

前回、教職員の間のコミュニケーションの重要性について述べた。

しかし、学校ではコミュニケーション不足が起こりやすい。その背景・原因として、次の3点が大きいと思う。

第一に、一緒にいて話しかけられる場と時間が少ない。小学校では、教室で作業する教師が少なくない。中学校や高校では部活動もあり、職員室に先生がいないという場合が多々ある。

第二に、教師は弱みを見せづらく、共有しづらい職業である。企業では、新人や入社数年の者には先輩が付いて、改善点などを教えるのが普通。ところが学校は、「各教員は十分に一人前である。どの先生に当たっても十分な質の教育は提供できる」というフィクションの上に運営されている。

子供や親にはもちろん、同僚にさえ、弱みを見せづらい。新人であっても、ベテランであっても、指導力不足や学級運営の力が低いと思われるのを恐れている。

第三に、現状が可視化される場が少ない。例えば、企業であれば、商品・サービスの受注状況や営業状況、工場の稼働状況などを部や課単位で集まり、把握・分析する場がある。こうした会議では、各々の活動の状況報告にとどまらず、気になることや悩んでいること、同僚や他部署と連携したほうがよいことなどを、共有する機会ともなる。しかし、学校では、こうした現状確認の場が極めて少ない。報告だけの会議はあるのだが。

ほかの背景(教科の専門性の高い高校などでは関心領域が狭い人もいるなど)もあるだろうが、少なくとも上記の点で、学校は企業など以上に、意図的に、丁寧にコミュニケーションの場を設けていかなくてはならない。

現に、事がややこしくなってから、いじめや学級崩壊が明るみに出る例が後を絶たない。そうなると、学校(特に教頭など)は対応に追われ、対症療法的なものに精一杯となり、さらに多忙となる。コミュニケーションの時間はどんどんなくなっていく。悪循環である。

「主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)」は、教室で子供たちに対してやれたらよし、ではない。教職員の間で、職員室の中や校内研修で、率先して実践してほしい。

また管理職や、ぜひ養護教諭や事務職員らの話も聞いてほしい。一般の教諭とは違った視点で気付いていることも多いはずだ。

そうした情報も活用しながら、コミュニケーションを活性化してほしい。