クオリティ・スクールを目指す(105)教委が主導する学校教育

eye-catch_1024-768_takashina-school教育創造研究センター所長 髙階玲治

新しい教育にどう取り組むか

次期学習指導要領が改訂されて、今年度は「周知・徹底」の年とされている。小学校は来年度から移行措置が始まる。

そのため各教委は、新学習指導要領に向けた体制作り、特に各学校への「周知・徹底」を考えているであろう。その体制作りは、学習指導要領が改訂されるたびに行ってきたことではある。

ただし、「周知・徹底」の内容はこれまでとかなり異なるべきであろう。何故なら、新要領は「何を学ぶか」「どう学ぶか」「何を身につけたか」など、当該学年で身に付けたい「力」の形成をかなり重視しているからである。新要領の内容も、「知識及び技能」と「思考力、判断力、表現力等」に明確に分けて記述されている。学力の形成がどう変わるであろうか。

さらに学校の教育課程編成やICT等への対応、地域と連携した学習活動のあり方など、また特に言われている学校業務の改善など、学校を取り巻く多様な課題に対して教委としてどう取り組むか、各学校としても期待が大きいであろう。

その背景には、学校の置かれている状況の変化がある。かつては各学校が指導要領にのっとって教育計画を立て、授業を実践していけばよかった時代が長く続いていた。しかし、最近の状況は学校のみで時代の潮流に対応できることに限界が生じている。

むしろ、地域の各学校の教育は教委が責任を持つというスタンスに変わってきたと言える。それを各学校の教育のあり方まで踏み込んでいく必要性があると考える。ただし、教委のトップダウンではなく、コラボレーションとしてのあり方であるが。

例えば、ベネッセの『VIEW』は教委版で、地域の教育課題に迫る教委の事例が毎号載っている。それを読むと、それぞれの教委が独自のやり方で地域の教育の活性化を進めていることが分かる。教委の役割の重要性である。

また先日、千葉県市川市の田中庸恵教育長から「新要領を見据えた市川の教育」の方策を聞いた。教育長は中教審委員だっただけにさすがに的確で具体的な構想であった。

特に各学校が今年から3カ年計画でそれぞれが独自に取り組むということで画期的である。その取り組みの進展について全指導主事で検証するという。その最も早い時期が夏の長期休業中である。

実のところ、具体的な取り組みがあってもどのような「成果」があったか、学校教育の場合よく見えないことがある。もしも、何らかの具体的な「成果」が見られた場合、公表してほしいと考える。学校にエビデンスが必要である。

新しい学校づくりには、教委の積極的な支援が必要である。