変わる学校、変わらない学校 学校マネジメント論(9)なぜいかに進めるか地域協働

eye-catch_1024-768_senoo10教育研究家/学校マネジメントコンサルタント
妹尾昌俊

前回は組織力について解説した。教職員の間の関係性を高めることに注目してほしい。

その上で、地域や外部とのネットワークについても深めたい。コミュニティ・スクール(学校運営協議会)については、4月の改正法施行で努力義務となったため、全国的に設置が広がる動きをみせているし、教育委員会の注目も高まっているようにみえる。

しかし、これも設置が目的化してはいけない。戦略なく会議だけ増やしても、学校には多忙と多忙感(負担感)が増すばかりだ。

地域協働についても、なぜ行うのか、何を目指すのかという「到達目標の共有」を、まず大事にしてほしい。それによって委員の人選や協議会の議題など、「プロセスの設計」も当然違ってくるからだ。

例えば、キャリア教育を本格的に推進するには、教員だけの力と経験では限界がある。なるべく多くの社会人の生き方や、働くということへの価値観に触れる機会をつくることが必要だからだ。

こうした点を目標にするなら、キャリア教育に詳しい人材や、地元をよく知るコーディネーターを委員に入れておくのが望ましいだろう。

他方、地域協働を通じて学習支援を強化する学校もある。

例えば、中学校で学習につまずきがある子の多くは、小学校3年生あたりの算数などが未習熟な場合がある。

この場合、学校支援地域本部・地域学校協働本部などの活動で、補習や学び直しを進める。教員が補習まで担うよりも、授業準備や授業改善などに時間を使うほうがよいことも多いと思う。

こうした中学校では、コミュニティ・スクールの委員には、小学校の校長や学習支援を行う地域人材、場合によっては地域の学習塾の関係者などを入れるとよいだろう。小・中学校が共同で学校運営協議会を設置し、小中連携を一層進めるための協議を行うという手もあろう。

紹介した2例はほんの一部であり、学校・地域によって、地域協働をなぜ、いかに行うかという目標とプロセスには多様な選択肢がある。いくつかを組み合わせるという方法もある。

学校運営に参画したり、支援したりする地域・保護者の視点に立っても、協働する目標や学校側の悩み、困り感を伝えてもらわないと、何を連携・協働してよいか分からない。

本連載の最初に述べた「変わる学校」の3つの要素は、地域協働でも大事なのだ。

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