Joy of Learning 世界の超最先端事例(6)AIと学び:先生も変わる必要

eye-catch_1024-768_komiyamaリクルート次世代教育研究院 院長 小宮山 利惠子

昨年10月から、リクルート次世代教育研究院は、教員養成の伝統校である東京学芸大学と共同研究を始めた。「人工知能時代における子どもたちに必要な能力及びこれからの教員養成について」が主なテーマだ。

5月にはシンポジウムを開催し、同学の学生529人を対象にした、AIに関する意識調査結果を発表した。AIに対するイメージは、メディアを中心にAIの進化に警鐘を鳴らす専門家がいる中で、専門的ではない学生でネガティブに考えている人は20%程度にとどまり、半数近くはポジティブに考えているのが分かった。

また今後AIが担うことが増えると思う業務について問うたところ、結果は「教科指導」47%、「生徒指導」16%、「進路指導・キャリア教育」13%の順だった。学生の約半数が「教科指導」、つまり「授業で生徒を教えること・評価すること」について、AIが仕事を担うと回答。これは「スタディサプリ」等、昨今のオンラインラーニングの台頭の影響により、画一的な授業はAIが代替できるという認識があると想定される。

同シンポジウムでは、5つの提言も行った。そのうち、「生きることを面白くする人間」を育てることにも触れている。今日では、仕事やそれを細分化したタスクをAIが代替する時代が到来しつつあり、AIが最適解を提示してくれる部分もある。しかし、AIに提供されるだけの生活ではつまらない。AIを使って「つまらない」のではなく、AIを使うからこそ「面白い」が未来のトレンドになると考えている。

「面白い」から見れば、「学び」も「遊び」も同じはずで、AI時代には、「学び」と「遊び」の区別はなくなる。そして変化の速い社会で職を得るには、新しいことを学び続ける必要がある。そのような状況を考えれば、学ぶことと働くことは今後、より密接に結び付き、程なく同じものになる。

つまり、「学び」「遊び」「働く」、これが同時並行的に、一体となって行われるのが普通になる日も遠くないと考えている。

「勉強」は従来の「勉め」「強いる」ではなく、楽しいと思う気持ちから始まる必要がある。テクノロジーやAIによって先生の事務作業が軽減されれば、子供たちに割く時間はより増える。子供たちの好奇心を発掘し、育てることがこれからの先生の一つの大きな役割になる。そして今後は「教える」という言葉よりも、「子供たちと共に学ぶ」という姿勢が先生に求められる。年長者からしか学べないという考えはナンセンスだ。

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