クオリティ・スクールを目指す(107)モジュールの効果的な活用を

eye-catch_1024-768_takashina-school教育創造研究センター所長 髙階玲治

柔軟な授業時間を目指す

次期教育課程の移行措置が迫っているが、中学校は各教科等の授業時数に変動はない。しかし、生徒の主体的な活動重視となれば、カリキュラム・マネジメントのあり方に創意が今以上に必要になるであろう。

実は、「美術」の授業について、1週目の授業をやめる、2週目も、3週目もやめて、4週目に4時間やってはどうか、と話したことがある。それを聞いた美術の教師が「目からウロコ」と話していた。

美術の授業を参観したとき、1教時にこだわってか、ちまちました学習が行われていて創造的な雰囲気が欠落した印象があった。すべてそうだとは思わないが、固定化された授業時間を見直す必要は、どの教科等にも必要のように考える。

例えば、小学校の英語関係の授業に15分のモジュールをという考えが示されていたが、週の時間割に余裕がなくなって、やむなくという感じであった。週の授業時間帯に15分の時間を設定する。3回実施すると1単位時間になる。さらに総合的学習から時間拝借となる。

ただ、英語の習得のためには、繰り返し学んで定着させる学習が必要で、15分の設定でどう学ぶかは興味深い。この手法は国語や算数などの授業にも活用できそうである。15分の時間帯は1年生からでも実施できる。

周知のように次期教育課程は「習得」「活用」「探究」が主要な学習とされているが子供の「習得」状況は決してよいとは言えない。「文書を読み取れない」というデータが示されていて、極めて深刻である。

また、新学習指導要領は、「知識・技能」と「思考力・判断力・表現力等」に分けて記述されていて、「知識・技能」を再認識する必要がある。「対話的」な活動のみが盛んになって基礎的な習得がおろそかになっては困るのである。

一方、授業展開のあり方も、例えば「15分+45分」という学習過程を組むことで、子供の個別的な思考力や表現力を15分で十分温める余裕の時間に設定し、45分は多様な話し合いで課題解決を徹底させる。授業がダイナミックになる可能性がある。

このようにモジュール等の活用による柔軟な時間割の構成は、「授業時間が学習を規定するのではない。学習が時間を効果的に活用するのである」とする考え方に基づいている。とかく、教科書カリキュラムをそのまま導入することが慣習化されているが、モジュールという多様な時間設定によって、新しい効果的な学習過程を創り出すことができれば、子供個々の「学びの向かう力」の形成に寄与することは確かである。

それは今からでも実現可能なカリキュラム・マネジメントである。

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