目指せ管理職 学校管理職合格講座 IV(16)自然災害への対応は大丈夫か

eye-catch_1024-768_kyouikukanri教育新聞 教育管理職研究会編

地域の防災環境をよく知ろう
○児童生徒の命を守る

最近、大きな自然災害が多い。今年7月の北九州地方豪雨での土砂崩れ災害には、胸が痛む思いである。また東日本大震災の影響もまだまだ続いている。地震、豪雨による土砂災害等が多発している。校長には、それらをあらかじめ予想して、災害発生時には、的確な対応で、児童生徒の命を守り、安全確保を図る最も重い責任を負わされている。いま一度、学校の自然災害の危機への対応を考えたい。

〇学校周辺の自然環境を調査する

校長として赴任したら、最初に、学校の周辺や通学路を自分の足で歩き、どのような自然環境にあるのかを把握したい。市町村の示す防災マップ、各種ハザードマップを参考に、学校の位置、災害発生危険箇所と通学路との位置関係等もしっかり把握しておく。いつ襲われるか分からない災害について、教職員と共通理解をしておく必要がある。

校長として押さえなくてはならないのは、次の点である。

▽学校がある地域では、過去にどんな自然災害があり、どんな被害があったか調査して、教職員、児童生徒、保護者で共通確認する。

▽どんな自然災害が予測されるか、自然環境を調査する。学校の位置は川や海からどれくらい離れているか、海抜はどれくらいの高さか、土砂崩れや土石流の危険はないか、雪崩の危険はないか、地震による地盤の液状化現象で被害に遭っていないか、火山の危険はないか――などである。

▽避難場所はどこにあるか。避難経路はどうなっているかを確認する。一時避難場所、津波避難ビル等、応急給水拠点――などである。

〇常日頃から防災教育を充実する

自然災害の発生を予想するのは困難である。いつでも起こり得る災害に対して「自分の命は自分で守る」のを一番に考えて行動できる判断力・危険察知能力・危険回避能力を、普段から身に付けさせる指導が求められる。そのため、予想されるさまざまな災害に応じて対応できるように、年数回の、地域の人たちとの合同訓練や、計画的・継続的な防災対策の学習を、各教科等で意図的に行わなくてはならない。

児童生徒は、いつも学校にいるとは限らない。家庭にいるとき、登校下校の通学時、他の地域に遊びに行っているとき、その時々の対応については、自分自身で判断する場合が多い。保護者会等で、家庭で、各自の避難行動、避難場所等の取り決めなどを話し合っておくように指導していく。

学校と家庭の双方で、自然災害が発生したとき、危険の確認、その対処・行動パターン、安全に対する知識や行動の仕方を理解し、行動できるように指導しておく必要がある。

〇教職員の意識を変える

自然災害は、全国各地で多発している。それをどのように身近な教材として取り上げ、児童生徒の指導に生かしていくかは、教職員の災害に対する意識次第である。校長は定期的・意図的に、災害に対する指導の必要性を教職員に意識させたい。自然災害の専門家を招いて、危機対応等について教職員の共通理解やどのように対応したらよいか等の研修を、計画的に実施したい。

〇対応マニュアル、特に情報の把握、伝達の方法を見直す

自然災害を未然に防ぐのは難しい。しかし、災害を減らす、減災の工夫はできる。「災害発生時の正確な情報を早く把握する」「その情報と学校の現状を踏まえ、的確な判断をする」「学校の方針、指示等について教職員・児童生徒・保護者等に素早く、正しく伝達する」――これらがその後の各人の適切な対応につながる。

いま一度、危機対応マニュアル、特に情報把握、判断、伝達について見直しておく必要がある。

情報の収集には、校長、教頭を中心として、責任あるスタッフを決めておく。その上で「各市町村での防災行政広報無線放送」「防災情報テレホンサービス」「都道府県での災害時情報共有システム(Lアラート)」「全国瞬時警報システム(Jアラート)」などの情報収集に関するものを熟知しておかなくてはならない。

関連記事