クオリティ・スクールを目指す(109)部活は指導法の改革を

eye-catch_1024-768_takashina-school教育創造研究センター所長 髙階玲治

効果的な指導で業務改善を目指す

最近、国を挙げての「働き方改革」が論議されているが、教師の業務改善は特別な傾向を含んでいるように思える。したがって、ノー部活デー、ノー残業デーは必要だが、仕事のやり方の効率化・効果性を考える必要がありそうだ。

『中央公論』9月号に「〝ド根性〟監督では2020年東京五輪で勝てない」という山口香(柔道)、中竹竜二(ラグビー)、田臥勇太(バスケットボール)各氏の鼎談が載っていた。

この鼎談はトップクラスの練習を語っているのだが、日本の伝統的な指導への反省として考えたいことがいくつも示されている。

例えば、田臥氏がアメリカで指導を受けたとき、日本のように「教えられている」「言われている」ことを受け身で学ぶのではなく、皆が「学びたい」「何かを得たい」という能動的な姿勢で、コーチとの関係もフラットだったという。

山口氏は日本人女性として柔道で初の金メダリストであるが、日本の場合、師弟関係や上下の序列があって、精神論を強調する傾向が強かったという。海外の指導者はプロ意識が強く、技を細かく説明する技術論を持っていて、教えられる側も技をキチンと学びたいとする傾向が強いという。

中竹氏は、パワハラや根性論はナンセンスという。強制的な指導はもうありえなく、自ら考え、プレーについてよくしゃべることが必要だと語る。

鼎談を読みながら感じたことは、部活の指導そのものに改善すべき根本的な課題が潜んでいるのではないか、ということであった。長時間練習や根性至上主義への反省のみではなく、部活の技術的指導や自ら論理的に考え参画する態度の育成など、新たな部活のあり方や指導方法を見いだす努力もまた必要だと考える。

部活の問題のみでない。学校の業務改善は勤務時間を縮減するのみでなく、子供へのより効果的な指導への転換を求める必要がある。

周知のように、「働き方改革」が急激に動き出しているが、その背景には人手不足が存在する。すでに若者の傾向として勤務時間の長期化への忌避が顕れている。そのような状況で危惧されるのは教員志望者の減退である。

教師の役割が今後ますます複雑化し、困難度が増すことが予測されるが、それを支えるのはかなり高度のスキルをこなすことができる人材である。

これからの学校教育を維持し発展させる人材の登用を必要とするとき、学校の現状の早急な改革が重要である。

その典型的な課題の一つが部活と言える。

最近言われているように、やり抜く力などの非認知能力の育成には特活が大きな力を発揮する。特活は無くすことはできない。その意味でも指導の改革が必要なのである。