未来を切り開く教育政策(7)起きつつある外国人教育の問題

eye-catch_1024-768_t_suzuki_r城西国際大学大学院教授
厚生労働省総合政策参与
鈴木崇弘

日本は少子高齢化によって人口減少や、それに伴う国力の問題の重要性が増大している。そうした中、定住外国人の問題や課題への議論が生まれている。

現政府は日本への移民を認めていないが、「専門的・技術的分野の外国人」は積極的に受け入れており、単純労働も留学生や技能実習生などの形で実質的に受け入れているに等しい。

法務省によれば、平成28年末現在、中長期に在留または永住している外国人数は、過去最高の238万2822人となっている。また今後さらに、外国人人材の活用および増大は避けられないと考えられる。

日本政府は、定住外国人に対する包括的な方向性や政策を打ち出していく必要がある(注)。

しかし日本では、外国人が急速に増えてきているにも関わらず、移民が正式に認められず、国の政策が取られていないが故に、全国でさまざまな問題や課題が生まれてきている。

本稿では、その中でも政策的に最重要と考えられる問題を取り上げておきたい。

それは、日本語教育を中心とした教育の問題である。特に外国人を、日本で生活し、特に家族を形成する「生活者」として考えた場合、同問題は、外国人本人や家族だけでなく、生活するコミュニティーの問題としても重要だ。

外国人の定住化を前提としない現在の政策の下では、日本に住む外国人に対する日本語教育は、外国人の多い自治体やその地域の民間人ボランティアの尽力のみで行われており、その対応はすでに限界に来ている。

また外国人子弟の教育などの面でも、日本生まれの子供の数も増加してきており、彼らの暮らしの現状を理解した上で適切な教育環境を提供する必要性が生まれている。他方、現在の学校制度の中では、必ずしも学校に入学させる必要がないため、母語も日本語も不自由なダブルリミテッドの外国人子弟が生まれている。

もし受け入れても、学校内で適切に対応できる教職員が圧倒的に不足しているという課題もある。

そして最大の問題は、教育の提供に関して、誰が責任を持つのかが、必ずしも明確になっていないことであり、産官学の連携による検討が必要だと考えられる。

このように、日本に起きつつある状況と今後を考えると、定住外国人に向けた教育について考えるべきことは多い。

(注)未来を創る財団の「定住外国人政策」に関する提言を参照。