子どもの貧困と学校給食(3) 学校給食費の徴収方法

eye-catch_1024-768_gan跡見学園女子大学教授 鳫咲子

給食費の徴収方法は、保護者の金融機関の口座引落が72%と最も多い。続いて、児童生徒が直接、学級担任に手渡し8%、複数徴収方法の併用7%、PTA等と連携し徴収6%、指定した金融機関へ振り込み5%、児童生徒が直接、学校事務職員に手渡し1%となっている(図表)。平成21年度と22年度の調査では、「自治会による徴収」が1%、それぞれ7校と8校から回答があった。

このように学校によりさまざまな集金方法が採られているが、PTAや自治会による徴収は、かつて給食の費用がPTAや自治会にも負担されてきたという経緯によるものと考えられる。文科省の国会答弁でも、「学校給食費の徴収は保護者のプライバシーに係る問題」と言われているが、徴収時に把握される未納者の個人名の扱いには十分な配慮が必要である。

前回紹介した「さいたま市学校事務職員アンケート」では、現金集金の学校は、口座振替の学校に比べて給食費の未納が少なかった。しかし、現金集金には、子供の心に負担を負わせる徴収となる恐れ、金銭管理の安全面で大きな問題がある。

「学校給食費の徴収状況に関する調査」において、給食費欠損分への対応は、「徴収した学校給食費から学校給食を実施」との回答が55%と多い(24年)。学校給食費が私会計となっている自治体では、欠損分は他の生徒の負担となったり、食材購入に影響を生じたりする。次が「市町村教育委員会等の予算から一時補填」、すなわち、税金による負担が28%である。

近年、「徴収した学校給食費から学校給食を実施」と「学校が他の予算等から一時補填」(6%)の回答割合は低下傾向にある。一方、「市町村教育委員会等の予算から一時補填」の回答は増加傾向にあり、給食費の公会計化が進んだことに伴う対応の変化と考えられる。

現在、保護者等の同意を得て児童手当から学校給食費等について天引きすることができる仕組みが導入されている。この児童手当からの給食費徴収を実施しているのは、小・中ともに約3割である。

22年度調査では、児童手当の前身である「子ども手当」支給後の徴収状況への影響についても質問している。それに対して、給食費が未納の児童生徒がいた学校の4分の1で「徴収状況の改善がみられた」という結果となった。地域によっては、給食費などを経済的に支援する就学援助の実施率が低いため、現金給付による給食費未納削減効果が生じたと考えられる。


参考資料
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