子どもの貧困と学校給食(5)子どもの貧困のシグナル

eye-catch_1024-768_gan跡見学園女子大学教授 鳫咲子

給食費未納の保護者への対応としては、「電話や文書による督促」を挙げる学校が97%と最も高く、次いで、「家庭訪問による督促」が67%である(図表)。

平成17年度調査では「その他」9%に。

含まれるにすぎなかった「就学援助制度等の活用を推奨」も、就学援助制度への関心の高まり、活用の動きから、最近の調査では6割以上の学校で挙げられている。

子どもの貧困と学校給食5生活保護や就学援助制度の適用を受け、学校給食費の支払いに充当するための金銭を受給しているにもかかわらず、他の出費に充てている保護者も存在するといわれる。

生活保護や就学援助制度には、学校長の口座へ直接支給する委任払いの仕組みがある。給食費未納の原因がネグレクトである場合があり得ることを考えると、保護者の口座へ入金するのではなく、この「委任払い」が活用されるように、活用実績の調査が必要である。

21年度調査結果の文科省通知には未納対策として、「児童生徒を通じて集金袋により現金で徴収することにより、保護者の自覚を促した取組」を参考にしてほしいとあった。

実際にも、24年度調査で給食費未納があった学校の32%が、未納対策として現金集金に力を入れている。この文科省の考えと、それに追随する学校の姿勢には大きな問題がある。

現金集金は未納件数が少なくなる効果があるが、私には、江戸時代の五人組制度のような相互監視制度と見えてならない。子どもが負い目を感じ、つらい思いをすることを通じて「保護者の自覚を促す」ことが、教育上の観点から許されるとは到底思えない。

例えば、さいたま市の未納・滞納率(25年度)は、国民健康保険が12.0%、保育料1.1%、公営住宅家賃0.8%で、給食費はわずか0.2%だった。未納割合からみて、給食費の未納が生じている家庭では、他の未納・滞納が先に起きている可能性が高い。

全国平均でも、国民健康保険の滞納率約10%に比べて、今のところ、給食費の未納率約1%は低い。一般的には、他の費目よりも、子どもの給食費を優先して納めている。

まずは、給食費未納家庭が、給食費以外の未納、国民健康保険料、公営住宅の家賃、保育料など、他の滞納が無いかどうかを市町村が調査してから、未納への対応を決めるべきだ。

給食費未納を、子どもの貧困のシグナルと捉えるべきである。