子どもの貧困と学校給食(6)就学援助を受ける子どもの増加

eye-catch_1024-768_gan跡見学園女子大学教授 鳫咲子

近年、就学援助を受ける子どもの人数、割合が増えている。平成7年度の約77万人から、26年度には約152万人に増え、公立小・中学校児童生徒数に占める割合も6.1%から15.6%に増加している(図表)。

就学援助のほかに、子どもの貧困にかかわる制度として、生活保護制度がある。就学援助制度の対象者は準要保護と呼ばれ、特に教育現場では就学援助よりも準要保護という用語が使われることが多い。生活保護の対象となっている子ども=要保護に準ずるという意味である。

図表
図表

就学援助制度と生活保護制度では、支援が受けられる条件、所得水準が異なる。生活保護の基準に合う小・中学生には、厚労省が所管し、自治体の福祉部局が担当する生活保護費から学用品費、通学費、学校給食費などが支給される。

生活保護基準よりも、やや所得の高い世帯には文科省が所管して、市町村の教育委員会が担当する就学援助費として学用品、通学費、学校給食費等が支給される。生活保護の基準の1.3倍くらいを就学援助の基準としている市町村が多いが、各自治体が独自に制度を決めており、基準もマチマチである。

憲法第26条には、教育を受ける権利、保護者に子どもに教育を受けさせる義務、義務教育の無償が定められている。「義務教育の無償」の内容としては、公立小・中学校の授業料の無料と、義務教育の小・中学生は教科書が無料であることしかない。

そのほかには給食費(年間約4万円)をはじめ、修学旅行費、教材費、クラブ活動費、制服代などが、学校に通うためにかかる。文科省「平成26年度子どもの学習費調査」によれば、塾の費用以外で、年間小学生約10万円、中学生約17万円にのぼる。

教育の機会均等を保障するための規定が教育基本法第4条および学校教育法第19条にあり、これらを受けて「就学困難な児童及び生徒に係る就学奨励についての国の援助に関する法律」(就学奨励法)の中に、市町村が行う就学援助に対し、国は予算の範囲内で必要な経費の一部を補助することが規定されている。就学奨励法のほかに、学校保健安全法、学校給食法の中にも就学援助の根拠規定がある。

全国でおよそ6人に1人の子どもが、経済的理由により就学困難と認められ、給食費や学用品に充てる費用を交付されている。この援助対象率15.6%は、子どもの相対的貧困率13.9%に比較的近く、生活保護だけでは不十分な子どもの貧困に就学援助が対応している。