子どもの貧困と学校給食(7)就学援助増加の原因と今後の課題

eye-catch_1024-768_gan跡見学園女子大学教授 鳫咲子

就学援助を受ける子どもが増加している要因、背景について、近年唯一の国の調査である、平成18年に文科省が教育委員会を対象に実施したアンケート(複数回答)によれば、「企業の倒産やリストラなどによる経済状況の変化」が全体の約8割を占める(図表PDF)。「離婚等による母子・父子家庭の増加」も全体の約6割ある。親の仕事が不安定な子ども、一人親家庭の子どもが増えている。

しかし、すべての市町村で十分な就学援助が行われているとは言い難い。東日本大震災で被災した宮城県石巻市では、被災した子どものほとんどが申請する被災枠の就学援助ができて、大幅に給食費未納が減った。

25年に成立した「子どもの貧困対策法」を受け、国の方針として閣議決定された「子供の貧困対策大綱」には、「『学校』を子供の貧困対策のプラットフォームと位置付けて総合的に対策を推進する」ことが、基本的な方針として掲げられている。

子供の貧困に関する25の指標も掲げられ、市町村が行う就学援助制度の周知状況も指標となっている。学校で就学援助書類を配布する全国の市町村の割合は、入学時66.6%、進級時67.5%となっているが、これを引き上げる必要がある。

生活保護を受けている子どもには、学用品費や通学費は生活保護費から支出し、就学援助に頼らないことが就学援助と生活保護の基本的な関係となっている。しかし、修学旅行費は例外で、生活保護対象の子どもにも就学援助費から支出している。

その理由を、ある教育委員会に尋ねたところ、林間学校は「学校」だから生活保護費から支出できるが、修学旅行は「旅行」だから認められないとのことだった。納得できる説明とは言えない。

修学旅行費については、教育扶助制度が整備された当時の考え方としては、学習に直接必要なものとして取り扱われず、生活保護の教育扶助の範囲から除外されたが、その後、就学援助の対象とすることで現在に至っている。つまり、かつて修学旅行がぜいたくであり、行けない子がいても仕方がない時代の考え方で、生活保護制度が今でも運用されていることになる。

現在は通常の授業でも、修学旅行に関することが教材として取り上げられるにもかかわらず、生活保護費の対象としないのは実態にそぐわない。修学旅行のほとんどが教科や他の教育活動と関わりを持って行われている実態からも、時代にそぐわない。一刻も早く見直すべきである。


参考資料
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