クオリティ・スクールを目指す(111)部活と学力調査との相互関連

eye-catch_1024-768_takashina-school教育創造研究センター所長 髙階玲治

形成する力や生活管理などの考察を

今年度の全国学力・学習状況調査の結果が公表されたが、その中で最も関心を集めたのは中学校部活の学力への影響という、今回初めて実施した項目であろう。

調査結果は、平日1日当たりの部活の時間と教科の平均正答率を比べたものであるが、それによると部活を「1時間以上、2時間より少ない」生徒が、国語AとB、数学AとBのいずれにおいても最も数値が高かった。この数値は重要である。部活をやり過ぎて家での学習時間を持てない、と嘆く生徒の声がみられるからである。

ただ、「1時間以上、2時間よりも少ない」生徒の割合は29.0%でしかなく、「2時間以上、3時間より少ない」が43.3%、「3時間以上」が11.4%である。生徒の半数以上が毎日2時間以上である。なお、1時間以下は4.4%で「全くしない」は11.7%であった。

部活の問題については、教員から指導が過重と忌避する声があがっていただけでなく、教員の勤務時間が1日12時間という過酷な実態から、ノー部活デーを実施する学校が生まれはじめている。指導者を学校外部に求める試みもある。

今回は、指導者である教員の立場からではなく、生徒の学力との対比での課題提供に意味がある。部活による生徒の疲労度の軽減や家庭学習に打ち込める時間の確保など、生活全般を考えた指導のあり方などとの関連への課題である。

そのことでは、すでに生徒の部活を時間的に制限している地域や学校がある。朝練を禁止したり、部活の休業日の他に平日は2時間以内、休日も4時間以内とする例などがある。

しかし、一方では部活そのものが、生徒の生活や将来にとってどのような意味を持つか、生徒の自立や成長を含んだ課題についての考察も必要である。そこで部活の関連を単に学力にのみ求めずに、調査項目にある生活習慣などとの関連項目とのクロス調査などが必要である。

さらに部活でどんな「力」が形成されるのか、今後質問紙調査に新たに付加してほしい事項として、例えば「やりたい課題への取り組み」「物事の達成意欲」「チームワーク力」「連帯感や協力性」などのクロス調査がほしい。

全国学力・学習状況調査を実施して10年を超えた。各学校が全国的な傾向等と対比して自校の教育実践をどう改善するか、という意味はなお大きいものがある。特に学習状況調査は日常の子供の学習環境を把握するうえで極めて参考になる。最近、ややマンネリ化の傾向がみられるが、新規の調査項目を増やすことで、新たな課題に目を開かしてほしい。

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