目指せ管理職 学校管理職合格講座 IV(22)新学習指導要領の全面実施への道のり その2

eye-catch_1024-768_kyouikukanri教育新聞 教育管理職研究会編

校内の体制、仕組みづくりを総合的に
○教育内容・学び方を改善するために

今次の改訂では、過去の教訓を生かし、内容の改善に留まらず「学び方」「カリキュラム・マネジメント」の必要性を示すなど、児童生徒の成長のために必要な内容、方法などにおよぶ今までにない内容となっている(参考:文科省「小学校におけるカリキュラム・マネジメントのあり方に関する検討会議 報告書」平成29年2月)。

今次の主な改善内容として、次のような点が挙げられている。

▽言語活動の充実▽観察、実験、統計教育の充実▽古典、文化財や伝統行事、武道などの取り入れと重視▽考え、議論する道徳科の充実▽小学校、中学年の外国語活動、高学年の外国語科の導入▽その他

・初等中等教育の一貫した学びの充実(小学校のスタートカリキュラム、各学校段階の円滑な接続)

・主権者教育(政治への関わり方、民主政治の推進)

・消費者教育(金銭管理、消費者被害)

・情報活用能力(プログラミング教育)

○まず従来の教育活動を見直す

新教育課程を検討する前に、校長は、まず、今までの教育活動の内容や方法について見直したい(文科省「小学校及び中学校の学習指導要領等に関する移行措置並びに移行期間中における学習指導等について(通知)」29年7月)。

授業時数や教員の児童生徒と関わる時間の確保、今までの教育実践(教育課程、児童生徒の主体的授業等)、児童生徒の実態(生きる力の獲得)、評価法、地域等の人材活用も含めた指導体制などである。

教育課程の管理について、目標が達成されるよう学校全体で各指導計画を適宜チェックし、改善するよう努めてきたのか、その体制ができていたか見直したい。新教育課程に、今までの反省点や課題が生かされることが大事である。

その上で、今年度は、改訂について教員にどう周知させるか。その理解度を把握し、それに応じた指導を心掛けたい。さらに、教育課程改善の柱を検討しつつ、「来年度は○○の実施案を」「その次に○○実施案を」との取り組みをスケジュール化して、早めに教職員に提示する。校長の指導の下に、取り扱う内容、スケジュールなどは、なるべく早く各教科のリーダーを中心にワーキング・グループを立ち上げ、検討、立案したい。なお、準備に要する時間はあまり残されていないことを念頭に置く。

○仕組み・構造を改革するために

教育基本法では、学校教育の充実のために、保護者に子の家庭教育について第一義的な責任があることを明記した(第十条)。また、教育の仕組みに関わり、学校、家庭および地域住民の連携協力が必要であると定めた(第十三条)。そして政府および地方公共団体はそれぞれに「教育振興基本計画」を定めるよう義務づけた(第十七条)。

これにより、県及び市町村も計画を持ち、それに沿った教育の振興が図られている。これらは、学校だけではなく地域等を含めた連携や協力による教育の仕組みを整えようとするものである。その他、学校教育法の改正(19年)により、副校長、主幹教諭、指導教諭等の新しい職が設置された(第三十七条)。これらが校長を支え、適切な学校運営、組織的な学校運営に力を発揮できることとなった。

教師力の向上や学校への信頼感の向上のため、地方公務員法の改正による人事評価制度の活用、教員免許更新制等が施行されたのは承知のとおりである。今次改訂の準備には、これらの措置を十分に生かし、教職員を組織的に動かし、校内の体制、仕組みづくりを総合的に進めていくことが、今、最も校長に求められている。

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