本と人との「知」の化学反応~実践ビブリオバトル~(3)学校のビブリオバトルはワークショップ型で

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学校でのビブリオバトルがいつごろから広がり始めたのか考えてみると、平成25年に東京都が、埼玉、千葉、神奈川の各県に呼び掛け、「ビブリオバトル首都決戦2013」を開催したのが最初であろう。

同年には、文科省が「第三次子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」を策定し、その中の普及啓発活動でビブリオバトルが紹介された。これらをきっかけに、全国各地の教委が、読書活動の推進にビブリオバトルを取り入れ始めた。埼玉県も26年に「埼玉県学校進学力パートナーシップ推進事業」を開始し、思考力向上プログラムの一環としてビブリオバトルを導入。本校を含めた10校が、その指定校としてビブリオバトルを推進した。

ワークショップ型で行う新入生ビブリオバトル
ワークショップ型で行う新入生ビブリオバトル

この事業は3年間で終了したが、現在は「埼玉県課題解決力向上チャレンジプラン事業」と名称を変え、新たに8校がビブリオバトルを実践している。

本校では、この事業が終了した現在も学校独自のプログラムを展開し、図書館が中心となり、年間を通してビブリオバトルを楽しんでいる。

具体的に紹介すると、▽新入生の自己紹介を兼ねて、4月入学当初に行う新入生ビブリオバトル▽土曜授業の午後に、地域住民にも呼び掛けて行う図書委員会主催のビブリオバトル▽他校の生徒図書委員会と楽しむ春日部地区図書委員研修交流会ビブリオバトル▽文化祭で一般聴衆者を入れたイベント型のビブリオバトル▽クリスマスのビブリオバトル――などがある。2カ月に1回ほどのペースで開催している。

特に大きな役割を果たしているのは、新入生ビブリオバトルだ。入学前の3月に行う「入学許可候補者説明会」で、中学生にビブリオバトルの説明をし、本校生徒が行っているワークショップ型ビブリオバトルのDVDを視聴させる。これと併せて、自ら本が選べない中学生のために、市内の書店と連携して、「春女生が選んだ20冊」のブックフェアも開催する。読書の動機付けとして、ビブリオバトルを活用している。

ビブリオバトルを校内で実施し、感じていることは、ビブリオバトルは継続してやることに意義があるということだ。ビブリオバトルはゲーム。そのゲームの面白さを味わうためには、ワークショップ型で定期的に行うことが必要だ。前に立ってプレゼンをするのは特別な経験になる。

自分が面白いと思った本を、5分間、自分の言葉で紹介するというビブリオバトルの醍醐味を味わえるのは、やはりグループディスカッションの形態だろう。生徒の活動に、大人も一緒に参加し、楽しむことができるのも魅力だ。

木下通子(埼玉県立春日部女子高校主任司書)

※本連載は教育現場でのビブリオバトルの実践者らが1人2回ずつ担当して寄稿する。