「成長の授業」を創る―菊池実践11の柱―(3)人間を育てる「成長ノート」

eye-catch_1024-768_kikuchi教育実践研究家(元小学校教員)菊池省三

今回は、成長ノートを紹介する。

成長ノートとは、教師が全力で子供を人間として育てるためのノートである。前号のほめ言葉のシャワーと並ぶ、菊池実践では代表的な取り組みである。

具体的には、以下の12のポイントがある。通常の日記帳や作文ノートとの違いである。

1.一人に1冊、ノートを準備する

2.教師がテーマを与える

3.「質より量」を目指す

4.「三つあります作文」を基本とする

5.教師の赤ペンはほめるために入れる

6.書くスピードを意識させる

7.誤字脱字などの指導には重きを置きすぎない

8.子供同士の評価を大切にする

9.型→自由→型→自由→……で伸ばす

10.価値語の使用を奨励する

11.表現の上手さよりも、その子らしさを重視する

12.年間を通して取り組む

この中で、私が特に大事にしている4点に絞って詳しく説明する。

「成長の授業」を創る-菊池実践11の柱31点目は、「2.教師がテーマを与える」である。「運動会練習で、自分の成長させたいことは何か」「〇〇さんの行為から学ぶべきことは何か」「言葉の力とは何か」といったテーマを、教師が与えて書かせる。普通、子供たちは、このようなテーマで自ら文章を書こうとはしない。

教師の子供たちを成長させたい方向が、テーマに色濃く出ているのである。

2点目は、「5.教師の赤ペンはほめるために入れる」である。

子供たちが、テーマについて書いた内容に対して、教師は全力で読み、それに赤ペンで応える。マイナス点を指摘するのではなく、美点凝視でその子の思いに寄り添い、ほめて認める赤ペンを入れるのである。

3点目は、「11.表現の上手さよりも、その子らしさを重視する」である。

文章には、その子なりの、ものの見方や考え方が出てくる。そこを大切にする。この点も、国語科の作文指導と異なるところである。

4点目は、「12.年間を通して取り組む」である。

一年間で、150個程度のテーマに挑戦させる。子供の中には、5冊以上になることもある。一人一人の一年間の成長が、どの子のノートにも詰まっている。まさしく「成長ノート」である。

この取り組みを通して、子供たちは人間として育ってくる。

関連記事