「成長の授業」を創る―菊池実践11の柱―(4)質問タイムでつながりを深める

eye-catch_1024-768_kikuchi教育実践研究家(元小学校教員)菊池省三

「質問タイム」とは、すでに紹介した「ほめ言葉のシャワー」を浴びるその日の主人公に、全員が質問する活動である。

バラバラのことを質問するのではなく、最初の質問の答えに関連した質問を続けていく。どんどん掘り下げていくことになるので、主人公のことを深く知ることができる。

子供たちは同じクラスの友達でも、お互いをよく知らないものである。おとなしい女の子と元気のよい男の子が、一日の中で一言も話さないまま終わることは少なくない。

「成長の授業」を創る4朝の「質問タイム」を毎日行うことで、お互いのことを多面的に理解し合い、コミュニケーションの土台でもある温かい人間関係を築いていくのである。

【1学期】質問・応答を楽しむ

最初は、答えやすく楽しい質問からスタートする。例えば、「ラーメンは好きですか?」「猫は好きですか?」といった内容で、言葉のキャッチボールを楽しむことをねらいとする。

【2学期】好きなことを伝え合う

自分の好きなことや得意分野などを伝え合う。そのために、最初に主人公に簡単なスピーチ(1文でも構わない)をさせ、その後に質問を受けさせるようにする。例えば、「ぼくは、漫画の『進撃の巨人』が好きです」とか、「私は、ピアノの練習をしています」と最初に語らせ、それについて質問を重ねていく。この活動を通して、お互いのことを知っていくことができる。

【3学期】その人らしさを引き出し合う

この段階では、主人公の「らしさ」を引き出すようなテーマを意識させて行う。

最初の質問内容がポイントになる。例えば、「自分の髪型は、気に入っていますか?」「将来の夢は何ですか?」といった内容から、さらに「1年間の自分の成長に気付いていますか?」「自分にしかできないと思うことは何ですか?」と、抽象度が高く、内面に迫るものにしていく。

会話力や対話力に欠かせない質問力の伸びだけでなく、互いの理解が進むことで、コミュニケーション力あふれる教室に必要な安心感や自信が育ってくる。「質問し合うこと=コミュニケーションを取ること」は、相手を好きになることだと気付く子供も出てくる。

1年間で5回程度の「質問タイム」を、どの子も経験することになる。レベルを少しずつ上げていきながら、安定した温かいコミュニケーション力が、学級の中に確実に広がっていく。「成長ノート」で、教師と子供の関係を強くし、「質問タイム」で子供同士の関係を築いていくのである。

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