「成長の授業」を創る―菊池実践11の柱―(6)黒板の5分の1で価値語を示す

eye-catch_1024-768_kikuchi教育実践研究家(元小学校教員)菊池省三

授業中に、黒板の左端5分の1を活用して行う取り組みである。身に付けさせたい学習規律や学び方などを、前回の連載で紹介した「価値語」の形で伝える。

「価値語をいつ指導すればよいか?」という質問をいただくことがあるが、その答えは、「いつでも、どこでも、黒板の5分の1を使って」である。

菊池実践11の柱6私は、授業の中に次の「5つのめあて」を設定している。

(1)表のめあて―知識・技能

(2)学級経営・心理的なめあて―ほめる(失敗感を与えない)

(3)学習規律的なめあて―共通の望ましい態度

(4)学び方、考え方のめあて―学習用語

(5)子供同士のつながりを育てるめあて―関係性

(1)は、授業における一般的なものであり、これをないがしろにすることはあり得ない。

(2)は、どのような学級をつくっていくか、その土台となる一人一人の自尊感情を、どのように高めていくかというめあてである。基本は、ほめることである。

(3)は、共通の望ましい態度を価値語で示す。

(4)は、学習用語をきちんと指導することで学びを深めていく。思考の手かがりになる。

(5)は、人と人の関わりの中で人間は成長するとの考えから、子供たち同士の関係性をどう高めていくかというめあてである。

こうした5つのめあての実現を目指して授業を行うが、(2)(3)(4)に関わる価値語をその都度、黒板の5分の1に書いていくのである。基本的には、書いたら1日は消さないでそのままにしておき、子供たちに言葉を確実に植林していくようにする。

黒板の5分の1の取り組みを1年間で考えたとき、時期に応じて伝える価値語は変わっていく。大まかには個から集団を意識したものに変化し、最終的には再び個に戻っていくものとなる。

最近の私は、45分1回限りの飛び込み授業が中心である。黒板の5分の1を活用して、基本的な学習規律を伝えている。

授業後に送っていただく子供たちの感想文に、黒板の5分の1で示した価値語について触れていることが多く、子供たちの中に価値語が息づいていることをうれしく思うとともに、その効果に確信を深めている。

また、私の授業をご覧いただいた先生からは、「菊池先生の授業は、2つの授業が同時進行されているようでした」という感想をいただいたこともある。そこで行った授業の内容と、黒板の5分の1で展開されていた内容ということであろう。

私のねらいを正確に受け止めてくれたものだと思う。