「成長の授業」を創る―菊池実践11の柱―(7)少人数による話し合い

eye-catch_1024-768_kikuchi教育実践研究家(元小学校教員)菊池省三

来春から新学習指導要領の完全実施に向けた移行措置が始まる。その新学習指導要領の解説には、「我が国の優れた教育実践に見られる普遍的な視点である『主体的・対話的で深い学び』の実現に向けた授業改善(アクティブ・ラーニングの視点に立った授業改善)を推進することが求められる」とある。

「普遍的な視点」とあるが、必ずしも、実際の教室で対話的な学びが実現している状況にはないと言わざるを得ない。

私は現在、全国の教室を回って授業を見せていただく機会が多いが、「多くの子供たちの様子は、硬く、遅い」というのが率直な感想である。

「成長の授業」を創る-菊池実践11の柱7今回の学習指導要領の改訂について、「時は来た」との思いで、この機会に、これまでの私の実践を少しでも広めていきたいと考えている。

これまで試行錯誤しながら対話・話し合いの指導方法を開発してきたが、以下の5つのステップを1年間の見通しを持って、白熱する話し合いのできる学級をつくっていきたい。

1.話し合いの基本形を教える

2.ディベートの持つルールの価値を教える

3.白熱する体験をさせる

4.噛み合った議論の体験をさせる

5.自問自答し考え続ける体験をさせる

こうした段階を経て、

〇教師が子供たちの視界から消える

〇黒板を子供たちに開放する

〇自由に立ち歩いて友達と対話をさせる

〇学びに必要と判断できれば、教室外にも出させる

といった状態を作り出していく。

対話・話し合いを通して、他者との関わりの中から起きる内側の変容重視の授業へと、子供たちの学びを変えていく。つまり、「覚える授業」から「考える授業」へと変えるのである。

この秋に訪問したある学校で飛び込み授業を行い、自由な立ち歩きをふんだんに取り入れた。その後、送られてきた子供たちの感想の一部を紹介する。

「すごく考えました。だけど立ち歩いていいと言われたので、安心しました。いつもは立ち歩いてもいいという機会があまりないので、分からないときにはとなりの人と話すしかありません」

「菊池先生は、授業のどこかで、立ち歩いていいよといってくれるので、ほかの人の意見が聞けたから、この子は、こんな考えをしたんだなと思えたので良かったです」

自由な立ち歩きは、話し合いの一つの方法であるが、子供たちは、教師が考える以上に本質を理解しているとの思いを強くした。

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