クオリティ・スクールを目指す(115)子供の将来への不安感の増加

eye-catch_1024-768_takashina-school教育創造研究センター所長 髙階玲治

社会変動への親の意識が変わる

最近のニュースや社会的な論調にAIやIoTなどの導入に関するものが多くなった。それは未来社会が大きく変わることの予兆でもある。

そのことは2014年に文科大臣が次期学習指導要領改訂に向けて中教審に『諮問』したことの顕在化でもある。その内容の冒頭は、今の子供が成人した頃には、社会構造や雇用環境が大きく変わるというものであった。

親の意識も当然ながら変わる。ベネッセの母親を対象にした『学校外教育活動に関する調査2017(速報)』を読むと、何よりも約7割が「教育にお金がかかり過ぎる」と回答している。ただし、2013年に比べて1.0%増である。なお、調査は5年ごとで今回は3回目である。

注目したいのは、「運動やスポーツするよりももっと勉強してほしい」が39.4%で2009年よりも12.6ポイント増加していることである。同様に「音楽や芸術よりも」は44.4%で12.7ポイント増である。

これほど差異が大きくなったのは次の調査結果と関連があるであろうか。

「子供の将来を考えると習い事や塾に通わせないと不安である」60.8%と9.1ポイント増である。先の回答では「運動やスポーツ」「音楽や芸術」よりも「勉強してほしい」と考える母親が1割以上増加していた。ところがこの回答は「習い事や塾」を望んでいる。「習い事」と「塾(学習)」のどちらにウエイトがかかっているのだろうか。

さらに「子供にはできるだけ高い学歴を身につけさせたい」は64.4%と4.9ポイント増である。子供に身につけたい教育の有り様について、母親は将来不安をこれまで以上に感じながら、どうあればよいか、と思い悩む姿ではないか。
実は今年度の全国学力・学習状況調査を見て感じたことであるが、児童質問紙の新しい項目に「外国人と友達になったり、外国のことを知りたいと思う」があって、東京都のある区立小学校は66.7%で、東京都の43.7%や全国40.6%よりも極めて高かった。「将来、留学したり、国際的な仕事につきたいと思う」は33.3%で、他は21.5%、16.0%であった。区立のある種の学校の特別な傾向であろうか。「家の人と将来のことについて話すことがある」は27.8%と同様に10ポイント以上高かった。

このような数値から深読みすると、将来に向けた親や子供の傾向として新たな動きが予兆として感じとることができる。

そこで、新たな傾向が見られる場合、学校として将来に向けた不安や取り組みを共有する知見を持つ必要があるのではないか、と考える。

外国のある小学校長は、学校の目標を聞かれて「立派な職業人に育てることです」と語ったというが、考えたいことである。