目指せ管理職 学校管理職合格講座 IV(27)多忙化解消を試みる その1

eye-catch_1024-768_kyouikukanri教育新聞 教育管理職研究会編

全職員の高い意識・豊かな発想を
〇最大限の努力をするべきである

昨今、残業時間が極端に長い職場の存在が大きな問題となっており、学校現場もその一つとされている。教員の多忙化は、心身の健康を害するばかりか、ライフワークバランスの崩れや業務能率の低下につながり、児童生徒への指導にも良くない影響が及ぶ。校長は、効果的な学校運営・時間外勤務の縮減と適正管理・自己啓発時間の確保等の責任があることを自覚し、多忙化が解消するよう最大限の努力をすべきである。

この多忙化を解消するためには、管理職は言うに及ばず全職員の多忙化解消への高い意識・豊かな発想・発想の転換によるさまざまな方策を総合的に導入・実践することが不可欠である。そこで、ここではさまざまな視点からの多忙化解消策を提示し、各学校に適した取り組みにより、勤務時間の適正管理を行い、多忙化解消の実現を願うものである。

〇解消に向けての7つの視点

多忙化解消では、下記の7点のような視点が挙げられる。

(1)教職員の勤務実態把握及び超過勤務の原因分析と究明

(2)教職員の資質向上と意識改革

(3)学校組織や体制の改善

(4)業務や活動の精選と合理化

(5)児童生徒の質的向上

(6)部活動運営の見直し

(7)学校外の人材・組織等との連携や活用

上記のうちどれか一つを取り上げて実践するという安直なことでは、解消実現は難しい。全ての解決策を総合的に導入し、わずかな時間や労力軽減化の方策を積み重ね全職員の理解のもとに実践してはじめてこの問題の解決が図られるものである。

〇学校全体の課題として積極的な取り組みを

(1)教職員の勤務実態把握及び超過勤務の原因分析と究明

問題解決のためには実態と原因をしっかりと把握することが肝要である。まず、出退勤時間を正確に把握することから始めたい。そのためには、管理職が出勤簿への押印・職員の動静の目視・休日の部活動等の計画や実施報告等による以外に、タイムカードやICカードで記録を取り、きめ細かに正確に把握する。次に、多忙化の原因を多角的に究明する。さまざまな方法で得た勤務実態のデータを元に職員個々への聞き取り調査をしたり、各学年や校務分掌毎の勤務実態に目を向けたり、曜日・時期・行事との関連を表計算ソフト等を活用して考察することも重要である。

多忙化の原因としては中学校の部活動指導に関するものや、地域行事への対応、保護者や地域からの要望や苦情対応、各種調査の実施・報告書作成、多様な校務分掌に関するものなど多様である。

一つのことにこだわるのではなく、洗い出した原因全てに対して状況に応じた適切な多忙化解消策を図ること、小さな積み重ねを丁寧に実践することで、はじめて職員全体の過重負担が軽減される。多忙化解消については、総合的な対応を実践すべきである。

(2)教職員の資質向上と意識改革

多忙化は職員の資質や能力も大いに関係する。同じ仕事をしても素早く、しっかりした仕事ができる者や指導力が高い者もいれば、そうでない者もいる。また、職員の不用意な言動や指導方法が問題発生の原因となり、その対応が多忙化に拍車をかける場合もある。これらの問題を改善するためには、適切な研修の実施、管理職からの指導や仲間からの支援は欠かせない。

職場の雰囲気も大切である。目標を共有化し、一丸となって協力し合う職場と、そうでない職場とでは、多忙化や多忙感に大きな差が出る。

また、職員が多忙化解消を自身も含めた学校全体の課題として捉え、個人的にあるいはチーム単位で改善策を積極的に提案し実践することや、管理職が労働条件・業務能率・職員の健康管理・ライフワークバランス等に対して強く意識し、深い知識や知恵を駆使し、責任を自覚して対策に取り組むことが重要である。

多忙化解消には、事務職員の経営参画意識も大きなポイントになる。事務職員と教員の協力関係・協力体制をしっかりとさせることである。

忙しい職場では、ややもすると年休が取りにくい雰囲気に包まれ、疲労感が蓄積しやすい。そうならないために、管理職が職員の年休取得状況を意識し、職員に取得を呼びかけ、年休を取得しやすい職場にすることも必要である。