目指せ管理職 学校管理職合格講座 IV(28)多忙化解消を試みる その2

eye-catch_1024-768_kyouikukanri教育新聞 教育管理職研究会編

学校組織や体制を改善する
〇働きやすい環境を構築する

時期的に、または突発的に、業務が集中する職員へ他の職員が支援する体制を整え、自主的に協力する職場の雰囲気を醸成することは、多忙化解消や多忙感減少に効果がある。管理職が人手が必要な作業をしている職員に気付き、「○○さんの仕事を手伝える人はいますか」と声を掛け、自らも率先して作業に加わり、各職員も「何かできることはありますか」と声を掛け合うような職場では、ストレスを感じることが少なく、職員の校務や教育実践に対する士気も高まると考えられる。

また、ノー残業デーの設定も仕事とオフを区切る上で必要な取り組みである。設定したものの実行できない場合は、個別ノー残業デー(個人の申告により個別の曜日をノー残業とする)も検討してはどうか。

〇無駄な時間削減し、組織や体制の改善図る

(1)校務分掌間・職員間の情報交換や意思の疎通を図る

▽教材、資料、会議資料、分掌、各学年等の記録やマニュアル等の整備(電子データ化等)を行い、スムーズに活用できるようにしておく。
▽問題行動や苦情等については、対応者による差異の発生を防ぎ、誰でも適切な対応ができるようマニュアルを整備し、問題がさらに別の問題を生起させないようにする。

▽学年行事を実施する際に、内容により前年度のスタッフを会議に参加させたり、下見を兼ねて次年度の学年担当者をスタッフに加え実施したりすることで、無駄な時間を削減する。

(2)学校の教育計画を基盤にした活動を実践する

▽年度初めに策定した教育計画を全職員が常に念頭に置き、計画的で無駄や偏りがない教育実践をすることも多忙化解消につながる。そのために、各月・週・日等の教育計画のポイントを職員会議・打ち合わせ・教務だより・週報や月報等で全職員に周知・確認をする。また、その都度PDCAサイクルを意識した経営改善を進め、学校の取り組みを充実させつつ、合理化を図る。

(3)職員の業務負担の平準化を図る

多くの業務を抱え多忙な日々を送る職員とそうでない職員がいる状況は、勤務時間にも差が出てしまい、好ましくない。現実的にこの問題を抱える職場は多い。その解決策の一つとして、次に例を示す。各校務分掌の負担を数値化し、全職員の分掌負担量(授業も含めて)を平準化することで、遅くまで学校に残る職員を大幅に減らしたものである。

〇客観的な勤務時間比較で負担の平準化目指す

〔事例〕校務分掌負担を平準化し多忙を解消する

▽各分掌の負担指数は、普通学級の担任で、週10時間の授業をする労力を指数100として、その労力を各分掌の労力と比較し設定した。例えば、教務主任=200、学年・生徒指導主任・各部活動主任等=100、学級・部活動副主任=50、各教科主任=2~5、学習・給食・奉仕等の専門委員会=5~10、営繕・学校評価等の管理、各委員会=1~10、その他、学年会計・PTA広報=2~5などの指数とした。もちろん、校務分掌はもっと多くて、細かに分掌化されている。それぞれに職員の意見を参考に、共通の認識の下、指数を設定して、一覧表にした。

▽1週間の労働時間を約40時間として、職員の負担指数が400(40時間)前後になるように設定した。

▽一覧表は、全ての職員個々の担当分掌とそれぞれの負担指数が記入される。この指数の合計数を前述のように標準負担指数400、そして、他の職員と比較検討することにより、その者の負担の軽重を明確にした。

▽実際に検証してみると、この負担指数の大きい者(多忙者)と小さい者とを比較すると、負担指数の大きい者ほど長時間勤務となっていて、負担指数と勤務実態がほぼ一致した。

▽客観性を持った結果を根拠として職員の負担を平準化し、個々の職員の多忙や長時間勤務の実態を改善することを可能とした。

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