クオリティ・スクールを目指す(116)管理職等の業務調整力が課題

eye-catch_1024-768_takashina-school教育創造研究センター所長 髙階玲治

学校支援は充実できるか

昨年11月28日に発表された中教審の学校における働き方改革特別部会の「中間まとめ(案)」は、特に学校が取り組むべき方策を具体的に示した点で極めて注目される(詳細は本紙12月4日付け)。

文科省が2016年度に勤務実態調査を行った結果は、小・中学校共に教員の平均勤務時間は11時間を超えていた。当時の松野文科大臣は「学校が教員の長時間勤務に支えられている状況には限界がある」と語っていたが、「中間まとめ(案)」は、「教師が担うべきでない」業務を明確化することで、勤務時間の軽減を図ろうとするものである。

主に、教師の業務として廃止・軽減したいものとされているのは、(1)子供の登下校の見守りや夜間の見回り(2)学校給食費、教材費、給食費の手渡し(3)未納金の徴収(4)職務以外に関する調査対応(5)競技経験者でない部活動顧問(6)実験の準備、片付け、教材の印刷など(7)児童生徒の提出物、宿題の提出状況の確認、漢字・計算ドリルの丸付けなどの補助的業務(8)修学旅行の全体的な計画・実施(9)高校の就職活動(10)支援を必要とする児童生徒や家庭との対応――などである。いかに教師は多様な業務を引き受けてきたか、改めて驚かされる。

これらの業務はぜひ廃止・軽減してほしいことであって、早急に実施すべきことである。それは単に勤務時間の縮減を目指すのみでなく、教師本来の職務に傾注することの重要性である。教師が傾注すべきことは毎日の授業であり、学級経営であり、個々の子供への対応等である。

次期教育課程はこれまで以上に複雑化・高度化し、困難度を増すことが予想され、働き方改革はいわば教師の生産性向上に結びつくものでなければならない。

ところで教員が本来必要とされていた業務から手を引くのであるから、代替する人材が必要になる。事務職員、保護者や地域住民、スクールサポートスタッフ、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、日本語教師など、業務に応じて適切に対応してくれる人材である。

そこに新たな課題が生まれそうである。それは学校に配置されている職員とは限らず、地域人材を活用する方策が必要になるからである。そのような人材は容易に見つかるとは限らない。人を探したり、交渉したり、それぞれの業務に基づく仕事への配慮を行ったり、と校長や管理職等の役割が極めて重要になってくる。必要な人材を確保するのに難しさが生じる学校や地域が見られるのではないか。個人情報保護条例とのかかわりもある。管理職等の業務改善に向けた調整力が問われるであろう。

そこで今まで以上に地域との連携を密にする必要が生まれる。新たな教師の役割について、保護者や地域への理解徹底もまた重要な課題になる。多様な問題はあるが、教員の働き方改革は喫緊の課題で、ぜひ成功させたいことである。


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