教員のワーク・ライフ・バランス ― 制度を変えなくてもできること ―(5)4つのおすすめアイデア

eye-catch_1024-768_sawata先生の幸せ研究所代表 澤田真由美

働き方の見直しは、次の3種類に分けて考える。

1、担任や学年などの小チームの判断で見直せるもの

2、校内全体の調整や校長の判断で見直せるもの

3、地域・保護者も絡んでいて複雑なもの

1と2は、校内の話がまとまれば踏み切れる。3は中長期的な計画が必要だ。3について来年度のものを見直すのであれば、今の時期からまずは校内にて話題にする必要がある。

教員のワーク・ライフ・バランス5「見直し」といっても、ただなくす以外にもいくつかのやり方がある。▽簡略化する▽目的が同じものはまとめる▽全校規模を学年に縮小する――といった具合だ。新しい工夫や必要なことを「増やす」こともある。

今回もおすすめアイデアをいくつかご紹介する。

■不在時は留守電に

保護者に電話をして不在だったとき、留守電に入れないと、もしきょうだいがいた場合には、折り返してきたときに、どの先生につないだらいいのかが分からず、電話を受けた人が探すことになる。留守電に入れることで、そうした事態を防げる。保護者には留守電をセットするように協力を頼むとよい。

このアイデアは、学校事務職員の気付きがきっかけだ。事務職員はアイデアを持っていることが多い。しかし、言わずにちゅうちょしていることが、よくある。ぜひ自校の事務職員に聞いたり、一緒に考えたりしていただきたい。

■鍵を統一

教室や特別教室の鍵が一つずつ違えば、毎回職員室まで取りに戻らなくてはならないが、統一してあれば合い鍵を1つ持つだけでよい。

■参観の廃止

授業参観をなくし、いつでも見に来ていいように公開する。あるいは参観「日」をやめて、参観「月間」にする。

授業参観のために、普段はしないよそ行きの授業をしていることは多い。もし公開期間が長ければ、作り込んだ準備をすることは物理的時間的に難しく、観念して普段のものを見せるしかない。すると発想が変わる。「普段の授業を磨く」「常に見られてもよい指導をする」といった当たり前のことが必要になる。それで教育の質が上がる。参観の度に特別な準備で疲弊するのではなく、子どもの方を向いた本来の仕事ができるようになる。

忙しい保護者は、朝の健康観察だけを見にくる場合もある。普段の様子を知る機会は喜ばれる。学校は気軽に行きにくいと感じている保護者は多いので、毎日オープンにすると敷居が下がり、フラットな関係性を作ることにつながる。保護者にはあらかじめ「連続性を持って指導していること」を伝えておけば、一部だけを切り取ったクレームは防げる。

■会議資料は大画面で共有

ペーパーレス会議の学校は増えたが、おのおのが手元のデータを確認している場合が多い。大画面で全員一斉に見れば、手元で探す手間や、見失って聞き逃すリスクが減らせる。

また、会議資料を全員分印刷している学校(一人ずつに配って歩いている学校もある!)もまだ多いが、大画面で一斉確認すれば、印刷は必要なくなる。各自が手元に印刷するのは、修学旅行関係など最低限のみにしている学校もある。印刷が本当に必要な書類はどれなのかも併せて考えたい。