「成長の授業」を創る―菊池実践11の柱―(11)成長年表

eye-catch_1024-768_kikuchi教育実践研究家(元小学校教員)菊池省三

「菊池学級」は、成長をキーワードにしている。

成長曲線、成長ノート、成長のAの道……、そして、今回の「成長年表」である。もちろん、価値語指導、係活動(成長活動)、質問タイム、ほめ言葉のシャワー、ディベートに代表される成長の授業なども、全て成長を意識した菊池実践である。

成長年表とは、1年間の特に成長につながる非日常の出来事を、年表の形にして残していく「掲示物」のことだ。

「成長の授業」を創る-菊池実践11の柱11模造紙を台紙にして、色画用紙を短冊に切り、それに出来事を価値語と共に書き込んで張り付け、教室背面に掲示する、長さ6メートル程のものである。

具体的には、

・4/7 始業式「リセット」

・4/10 入学式「最強学年の顔」

・4/15 第1回授業参観「変わる」

・4/28 歓迎集会「範を示す」

・4/30 初めての学級集会「群れから集団へ」

といった短冊が貼られていく。

非日常とは、主に学校行事や学級での特別な取り組みである。

土台の模造紙には、2週間程前から、価値語とセットにした短冊を貼り付ける。

価値語は、その成長につなげたい非日常の取り組みへの目標ともなっている。1学期のうちは、教師が示すことが中心となるが、2学期からは子供たちが考え記入して貼り付ける。

スペースの関係で全ての短冊に関する写真を貼ることはできないが、子供たちの姿の分かる写真をセットにすると、視覚的にも年表らしくなってくる。

子供たちは一学期の中盤あたりから、「進級して、もうこんなに成長への取り組みがあったんだ。この先もいろんな成長のチャンスがあるんだろうな……」などと、まだ何も貼られていない模造紙の部分を見て思うようである。成長への期待感が増してくるのである。

二学期になると、「こうやってみんなの歴史ができるのだ。これからの一つ一つの非日常の取り組みにも、自分から参加していこう」といった、積極的な姿勢が見られるようになる。集団への帰属意識も高まってくる。

三学期になると、3分の2以上が埋まっている成長年表を眺めながら、「4月からの一つ一つの取り組みの積み重ねが、みんなの成長でもあり、自分の成長でもある。成長は無限に連続している」というような思いになるようだ。確かな成長を実感するのである。

教室は、1年間かけてみんなで成長し合う場であることを、子供たちは知ることになる。