目指せ管理職 学校管理職合格講座 IV(29)多忙化解消を試みる その3

eye-catch_1024-768_kyouikukanri教育新聞 教育管理職研究会編

業務や活動の精選と合理化に取り組む
〇精選、合理化は慎重に実施

多忙化解消の方法として行事や業務の精選がある。しかし、安易に削減すると指導や事務の重要な部分が欠落する恐れがあり、学校の荒れや事務のミスにつながりかねない。精選や合理化・効率化は慎重にすべきである。また、削減することだけに目を奪われず、視点を変えて新規の取り組みを導入することで、多忙化が解消に向かうこともある。

〇精選の例―年5回実施の大掃除・特別清掃をなくす

学校で現在行われている諸活動の削減は非常に難しいが、一つ一つを細かく見ていくと削減できるものもある。

各学期末などに実施していた大掃除を廃止し、日常行う清掃活動を充実させた。「清掃で汗を流そう」をスローガンに、“無駄なく、手早く、隅々まで行き届いた清掃”を目指して、清掃活動を総合的に見直し、清掃の手順・場所の特性・担当・用具等を検討し、平素の自主的なゴミ拾い活動も併せ、常に大掃除が終わった後の状況を保てるようにした。

旧来大掃除等に費やしていた年間約4時間を削減できただけではなく、毎日の学校での生活環境が整い、生徒の環境整備や公共施設を大切に扱う態度の育成、勤労に関する考え方・技能・協力性ほかキャリア教育の面での進展等、さまざまな教育効果があった。

〇合理化・効率化の例―工夫凝らし会議をスリム化

(1)朝の打ち合わせ

▽連絡がある職員は全員起立させ、連絡が終わった順に着席させる。これで連絡が何件あるか分かり、時間配分がしやすくなる。また、立たせることで連絡が冗長になりにくい。テレビのコマーシャルは約20秒で要点を伝えている。このことを職員に意識させ、数十秒で連絡の要点を伝えるよう工夫させる。

▽簡単な連絡はホワイトボード等により時間を掛けずに伝える工夫をする。

▽生徒への連絡は、極力昼の放送を活用するようにする。

(2)職員会議

▽会議内容は、事前に十分に煮詰め、検討しておく。内容解釈などの一からのスタートのような会議は避ける。

▽資料等は事前に配布し、目を通してあることを前提に会議を進める。

▽内容項目に時間配分を明記し、予定時間と進行を意識させる。

▽会議資料は新規に作るのではなく、前年や前回の資料をベースに、変更点を「見え消し」や「追加のメモ」で済ませ、作成時間の削減と変更点の明確化等を図る。

(3)その他

▽調査に応じてマークシート等を活用する。

▽複数行事の同時進行を考える。校長と養護教諭は体育館での熱中症予防講演会で児童生徒を監督し、同時間に教頭や教諭は教科指導の研究部会に参加する、など。

〇全職員で業務上のルールを順守―無駄な時間を省く

▽日頃から、連絡が必要な事項はしっかりと連絡を取り合う。会議等の開始時刻には全員が集まり、時間の無駄を省く。

▽お互いに実施する教育活動の内容・方法が共通理解されれば、時間に無駄がない。

▽児童生徒の様子や課題、指導すべき事が個々の職員に認識・自覚されるよう努める。

〇外部人材や組織の活用―人材バンクの構築

地域の人材・組織等に積極的に協力を仰ぐことが、多忙化解消につながる。部活動支援ができる人材、環境整備や登下校の見守り活動、授業の補助的活動等に地域の方、退職教員や学生ボランティアに協力を要請する。その際、それらの活用の基盤となる人材の発掘や把握が必要である。市町村の生涯学習担当が作成している人材バンクの資料や地域からの情報を基に、学校としての人材バンクをつくることから取り組みたい。