「成長の授業」を創る―菊池実践11の柱―(12)教師のコミュニケーション術

eye-catch_1024-768_kikuchi教育実践研究家(元小学校教員)菊池省三

私は三十数年間、コミュニケーションの指導を大切にしてきた。スピーチ指導、会話・対話指導、語りの指導、討論・話し合い指導などである。

それぞれの指導のポイントを見つけ出し、教室の中で実践してきている。

その結果、子供たちは確実に変わっていった。毎年、積極型の子供へと変容し、絆の強い学級へと成長していった。

「成長の授業」を創る-菊池実践11の柱12また、それとともに、教師である私自身の話し方、聞き方にも大きな変化が出てきた。子供たちへの指導を模索する中で、自らのコミュニケーションを省みる機会を得たのである。

分かりやすく伝える、相手の心に響かせる、相手と理解し合う、人間関係をよくするといったコミュニケーション力は、子供だけではなく、指導する教師も身に付けておかなければならないことである。

実は、コミュニケーションのポイントは、大人も子供も基本的には同じなのである。

さて、当然のことながら、教師の学校内におけるほぼ全ての指導は、子供たちとのコミュニケーションで成り立つものである。しかし、そのコミュニケーション力に「自信を持っている」と、言い切れる教師は少ない。

現在、多くの学校を訪問して、先生方の授業を参観させていただいている。そこで思うのは、教師のコミュニケーション力の弱さである。

・だらだらと整理しないで話す

・子供たちの反応を気にすることなく一方的に話す

・思い付きであれもこれも話す

・一本調子で声に変化がない

・表情が険しく説教に聞こえる

気になる点を挙げたらきりがない。自分が話す(聞く)ことに、無頓着である。知識を独りよがりに伝えるだけのコミュニケーション力なのである。子供たちの表情も暗く硬い。

よい話の3大要素は、

(1)分かりやすい

(2)ためになる

(3)ユーモアがある

とよくいわれる。

多くの先生は、このことを意識していない。せめて、柔和な表情で、明るい声で話をしてもらいたいものである。そうするだけで、学習している子供たちも明るい笑顔で学習に向かうはずである。

最後に、教師のパフォーマンス力の重要性にも触れておきたい。コミュニケーションを成立させる要素でもある表情や姿勢、動きなどの非言語の力のことだ。多くの教師は、話せば伝わると考えている。間違いである。伝えるとは、全身で行うものだ。パフォーマンス力は、コミュニケーションの核なのである。

(おわり)

関連記事