目指せ管理職 学校管理職合格講座 IV(30)多忙化解消を試み その4

eye-catch_1024-768_kyouikukanri教育新聞 教育管理職研究会編

児童生徒の質的向上を図る
〇児童生徒の活動や体験を増やす

かつては児童生徒が教師の仕事をよく手伝った。プリント印刷、黒板の塗り替え、机や椅子の修繕など、子供たちは教師とのさまざまな体験の中で、仕事への理解や人間関係の深まりを得ていた。共にすることで楽しく、短時間で済ますことができた。しかし今は、教師がお膳立てをして、よりスムーズに事が運ぶようにする傾向があり、それが教師の多忙化に拍車をかけ、一方では子供たちの体験や能力の向上を阻むという状況に陥っている。

体は小さい小学生でもかなりのことができる。中学生ともなれば大人と同等か、それ以上のことができる生徒もいる。その能力を理解し、信じ、児童生徒の活躍・活動の場を増やすべきである。そのことが取りも直さず子供たちの能力の向上と教師の多忙化解消にもつながる。

〔実践事例〕ボランティア活動の推進

(1)他の協力が必要な活動を計画する者(教師でも児童生徒でもよい。児童生徒の場合は教師を顧問に立てる)が募集用紙に日時・活動内容・準備するもの・参加条件等を記入し、各クラス等に掲示する。

(2)参加希望者は募集用紙に記名する。募集者は参加者の把握をして活動の準備をし、応募者は活動に参加する。

(3)活動が終了したら校長が発行する「ボランティア活動参加票」を受け取る。また、クラス名簿に参加の旨を記入する。

この活動の長所は非常に多くある。多忙化解消の関連では、例えば理科や美術準備室の整理の際、教師1人で行うよりも何倍も早く進めることができる。さらに、ボランティア活動の原則である「自主性の重視」が自己決定の場を提供することにつながる。教師や異年齢の者との協働作業で人間関係も深まり、さまざまな教具や備品に触れるため教科への興味も増す。児童生徒の成長に非常に貴重な活動となる。

〇指導の無駄な繰り返しを避ける

指導が場当たりになってしまっては、時間や労力の大きな損失であるが、実際にはそのようになっている場合が意外に多い。「気をつけ」や「礼」ひとつとっても、幼少期から何千回も繰り返して行われている所作であるにもかかわらず、行事のたびに正しい「気をつけ」や「礼」の指導が繰り返される。無駄ではないか。指導したことが次につながらない例である。教育実践に当たり最初の指導をしっかり行い、次回の実践では質的に向上して優れてくることを、教師も子供たちも強く意識して実践するべきである。子供たちの資質向上と指導の効率化が図れる。

〇児童生徒とともに学校づくりを進める

「児童生徒の質の向上が教職員の多忙化や長時間勤務の軽減につながるとは本末転倒な考えではないか」との意見もあろう。しかし、子供や職員にとって、「学びたい」「指導したい」という、本来学校で展開すべきことを充実感を持って展開するには、職員が時間的ゆとりを持つことが重要である。そのような状態を作り出すことが管理職に求められている。それには、校長が学校経営の柱にこの児童生徒の質の向上と教職員の負担軽減を位置付け、学校づくりが進めることが必要であろう。