自分にしかできないスクールリーダーになるために (2) フォロワーシップの重要性に注目

eye-catch_1024-768_nakatake日本ラグビーフットボール協会コーチングディレクター(株)チームボックス代表取締役 中竹 竜二


組織のリーダーは従来、「リーダーシップ」の発揮を強く求められてきました。リーダーシップとは、組織の方針を示したり、率先して活動したり、メッセージを発信し物事を決定していく行為を意味しています。これに対し「フォロワーシップ」とは、表に立って引っ張るのではなく、支えていく行為を指します。部下の営業に同行したり、仕事のアドバイスをしたり、部下の悩みの相談に応えたり、寄り添う行為を意味しています。リーダーシップとは「引っ張る行為」、そしてフォロワーシップとは「仲間を支える行為」と言い換えることができます。

これまで組織の中では、先頭に立ち、方針を決め、率先して導く人に焦点が当たり評価されていました。近年、チームを促進させるためには、フォロワーシップが重要という評価がなされるようになってきました。

今では、多くの企業において、仲間とストレスなく過ごす能力、仲間をサポートするフォロワーシップの能力が重視されています。米国では、人材育成の最高峰と呼ばれるNASAをはじめ一流と呼ばれる組織で、リーダーシップからフォロワーシップへと評価のポイントが移行しています。背景として他人に興味を持ち、変化に気付き、ポジティブにサポートできる人材が求められる動きが広がりつつあると思います。

教育の現場にも当てはまります。先生方は同僚や子供たちの声を聞き、寄り添う姿勢を大切にしてみてください。リーダーシップという行為はとても可視化しやすく評価が簡単ですが、フォロワーシップは表に出ないからこそ機能する行為でもあります。ある活動を子供や他の同僚に任せるとします。「何かあったらいつでも質問してきてね」というひと言や、じっと観察し、耳を傾ける姿勢を示し、笑顔でいること自体がフォロワーシップとなります。任された人たちは、時に不安に陥ることがあるものです。そのときに笑顔でうなずければ、彼らの不安は解消され、自信を持って行動することができます。

私自身、早大ラグビー部の監督時代、試合中は観客席から選手たちを見守っていました。ときどきグラウンドから視線を送ってくる選手たちに対しては笑ってうなずくことで信頼のメッセージを発していました。それが支えの一つになり、大学選手権の優勝という結果につながったと信じています。

フォロワーシップは、なかなか表には出にくいものですが、組織の信頼関係の基礎を作る大切な行為となります。