目指せ管理職 学校管理職合格講座 IV(32)不登校への対応は十分か

eye-catch_1024-768_kyouikukanri教育新聞 教育管理職研究会編

学校の対応と校長の判断 その1
○一向に減らない不登校児童生徒
これまで不登校への対応については、さまざまな法整備やスクールカウンセラーなどの専門家の配置、ならびに「不登校への対応の在り方」等の手引きが示された。関係機関や学校現場はいろいろと苦慮しながらも、個々のケースに応じた対応を心掛けてきているところであるが、その取り組みに反して不登校児童生徒数は一向に減らないのが現状である。こうした現状から昨年度、いわゆる教育機会確保法が制定され、さらなる取り組みの強化が求められているところである。 不登校児童生徒に対して、学校の対応の在り方を再確認するとともに、不登校に対する校長の諸判断やリーダーシップについて、再考してみたい。
○不登校に対する基本的な考え方を再構築する
教職員は常日頃より、児童生徒が不登校の状態にならないように、学習指導や生徒指導、学級経営など、あらゆる教育活動の中で「働き掛け」「関わり」、児童生徒理解に努めている。不登校の要因が複雑多岐にわたり、「心の内面」の問題であるだけに、非常に難しい課題であるのは否めない。これまでも、登校刺激の与え方一つをとっても、「したほうがよい」「しないほうがよい」という見解の相違もあった。現在では、「ケース・バイ・ケース」の対応が求められている。 ベテランの大量退職により、教職員が若返る近年の状況の中では、その経験値に学び、適切な対応をするのが困難になっている。管理職はもう一度、校内における不登校に対する基本的な考え方を構築する必要がある。以下に留意点を示す。 ▽児童生徒からのSOSを見逃していないか(初期対応の大切さ) ▽児童生徒理解の在り方(働き掛け、関わり)をしっかり行っているか(本人とのつながり、寄り添いはあるか) ▽生徒指導の機能や教育相談の技法を理解しているか ▽「報・連・相」を怠っていないか(連携ネットワークによる支援) ▽家庭環境や生育歴などを踏まえ、保護者との連携と家庭への支援はできているか ▽「心の問題」だけではなく「進路の問題」として捉え、対応できているか
○学校における取り組みの充実を図る
児童生徒が不登校にならない、魅力のある、よりよい学校づくりを教職員一丸となって進めていく、それが軸である。基礎要件を以下に示す。 ▽学習指導要領の狙いに即し、「分かる授業」「楽しい授業」が、日々実践されているか ▽児童生徒の実態や個々に応じたきめ細かな指導がなされているか ▽学ぶ意欲や主体的な学びの姿勢が生かされた教育活動(授業)になっているか ▽一人一人の心を大切にした教育の場があるか ▽児童生徒が安心で、安全な教育環境になっているか ▽地域と共にある教育活動が展開されているか また、教師集団としては次のことを考えよう。 ▽お互いに尊重し合い、学び合い、連携できる体制ができているか ▽個々の気付きや発想が生かされるとともに、常に共通理解、共通行動が取れる体制ができているか。 ▽生徒指導に関する専門性を生かしたチーム体制など、「チーム学校」としての組織体制が機能しているか 管理職は常にこれらのポイントをチェックし、実効性のあるものにしていかなければならない。 ----------------------------- ※〔参考〕 義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律(2016) 第二条(定義)三 不登校児童生徒 相当の期間学校を欠席する児童生徒であって、学校における集団生活に関する心理的な負担その他の事由のために就学が困難である状況として文部科学大臣が定める状況にあると認められるものをいう。 第三条(基本理念)三 不登校児童生徒が安心して教育を十分に受けられるよう、学校における環境の整備が図られるようにすること。