自分にしかできないスクールリーダーになるために (5)1対1のコミュニケーション

eye-catch_1024-768_nakatake日本ラグビーフットボール協会コーチングディレクター(株)チームボックス代表取締役 中竹 竜二


前回は、教室のルールについて触れましたが、今回は子供との1対1のコミュニケーションについて考えてみましょう。

学校や教室においてもコミュニケーションはとても大切で、先生と子供が個々に向き合わなければなりません。

単に褒めたり、叱ったりと、その瞬間だけやる気を上げたり、従わせても、継続的、本質的に子供の行動を変えることはできません。相手の心の「芯」を捉えることが必要なのです。

私が早稲田大学ラグビー部の監督時代に、プライドが高く人の評価ばかり気にする選手がいました。彼は入部時から逸材と騒がれましたが、何度もケガに見舞われ、活躍できずにいました。その姿は、私からすれば自信のなさの表れに見えたのです。

「本当は自信がないんだよね?」。私が個人面談で彼にそう言うと、ふいを突かれたような表情の後、すぐにそれを認めました。「プライドを捨てて、プレーに集中すれば、もっと実力を発揮できる」。そうアドバイスすると、彼はその日から、プレーのスタイルを大きく変え、レギュラーを勝ち取り、卒業後も社会人リーグで活躍しました。

このように相手の心の芯を捉えるには、一人一人を理解するしかありません。これが、個々に向き合わなければならない理由です。子供たちを個別に理解するためには、クラスの文化や雰囲気をいかに作っていくかも肝になります。

普段から子供たちを注視することは欠かせませんが、全員が本音を言い合える教室の雰囲気を作っていれば、それが比較的簡単になります。

「もっとこうしたほうがいいと思う」「ここはおかしい」「自分はこうしたい」――。このような本音が自由に飛び交う教室であれば、それぞれの考えや意見などを把握しやすくなります。

本音を言い合える文化をつくるには、まずは、自らが本音を言い始めることです。

同僚であれば、上司でなければ、学校の外では言えるのに。そういう壁を取っ払って、「自分はこう思う。きみはどう思う?」と、問い掛けてみることです。教師が正直になってこそ、教室は必ず変わっていきます。

本音を言い合うに当たり、ルールは一つ。「陰口、悪口、人を傷つけるような噂はしない」。これだけで、十分だと思います。

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