保護者と歩む学校経営 (2) 入学説明会・その1

eye-catch_1024-768_nagahori_fin早稲田大学大学院非常勤講師 元茨城県牛久市教育委員長 永堀 宏美

入学前の保護者の安心度を高める改善案

多くの学校で入学説明会が開催される時期です。「保護者の理解と協力を得た学校経営」が、入学前から始まっていることを意識されていますか。会のゴール設定(最終形)の中に下校時の保護者が安堵(あんど)の笑みを浮かべる姿は含まれていますか。

学校側の主目的は、新入児童生徒が4月からスムーズな学校生活を送れるよう、「モノをそろえる」「学校の基本ルールを周知する」を軸とした保護者への情報伝達でしょう。保護者が求めているのは、「この学校に入学してわが子が幸せに学びの日々を送れるかどうか」を確信できる安心材料です。モノやルールを軽視してはいませんが、最優先関心事項ではありません。安心材料を一つでも多く見いだすことができれば、安心度が高まり、スムーズな入学および信頼関係形成にもつながります。

その観点から、多くの説明会には、まだ工夫の余地があります。会の当日、ある保護者はやっとの思いで仕事を休んで駆けつけてみれば、広い会場で、寒さに震えながら文字だらけの見づらい資料を見つめ、読めば分かることまで長々と朗読されるのをじっと聞き、最後は必要書類の提出期限を連呼され、不安は解消されないまま下校する――という流れ。これでは、学校への安心材料や信頼の種を見いだすのは難しいでしょう。

学校側にとっても、昨今は学校行事への保護者参加率が減少する中で、出席率の高い説明会は貴重な場です。有効活用し、保護者の安心度を高め、学校への理解と協力を促す場にできないでしょうか。学校の限られた時間と労力でも、次のように開催スタイルの改善は可能です。

■構成と進行を見直す

一般の感覚からは、学校の進行は緩慢で、まだ詰める余地があります。一方的な伝達方式は保護者の馬耳東風な姿勢を助長させ、あふれる情報による混乱が、問い合わせ増の原因になります。ぜひ必要情報を周知させる方法を工夫してみてください。

■従来の資料を見直す

保護者目線で精査し直し、図式やイラストを活用して要点を分かりやすく示すと効果的です。一時的な作業は必要になりますが、繰り返し利用できますし、問い合わせが減れば、結果的には教員の省力化になります。

■隙間時間を生かす

わずか1~2分×2~3回でよいので、会場の保護者同士が気軽に言葉を交わし、子育てへの思いを口にできる機会を作ってみてください。人は言葉を交わすことで心を落ち着かせ、安堵できます。共に入学を控えた仲間同士ならなおさらです。